税金泥棒と松原正氏 2004.03.28

昨日、家内の用事につきあって出かけていき、家内の友人とJR西宮の駅で待ち合わせました。
その人の長男が自衛隊員であることを知っていたので、今回のイラク派遣ではどうなったかを
尋ねたところ、ご子息は派遣の隊員の数には入らなかったそうでした。
母親として安堵の思いがあるでしょうに、表だって「良かった」、とか「息子は運が良かった」とは
仰らないところがさすがだな、と私は思いました。

その友人の知り合いのもう一人の女性がやってきて、我々4人は目的地に向かうため、タクシ
ーに乗り込みました。
私は運転手席横に乗りながら、なおも自衛隊の話を後部席のくだんの女性に話しかけます。
早稲田大学名誉教授、松原正氏が十数年前から自衛隊を擁護する論陣を張り続けてきたこと、
某新聞を筆頭とするマスコミ、および某組合を筆頭とする左派的団体が如何に自衛隊を侮辱し
てきたこと等を語っていると、それまで黙って運転していた初老のタクシー運転手さんがいきなり
「私は元、陸上自衛隊戦車隊に所属しておりました」と言い出しました。
「その当時、私たちは”税金泥棒”呼ばわりされたものでした」と彼は続けます。
「戦車隊の隊員としての訓練は厳しく、辛いものでした。それを自分たちがやっていることを税金
泥棒と言われるのはたまらなかったですよ」
私は義憤に堪えかねるように激しく首を縦に振りました。
「お客さん、その松原正さんという学者さんが今から十数年前にそのような自衛隊擁護論を発表し
続けていたというのはもの凄く勇気あることですね」
感に堪えぬ、という声音で運転手さんは言いました。
そしたら、後からやってきた方の女性が言いました。
「その松原正さんの評論が載っている雑誌は何という題名でどこから出版されているのでしょうか。
私の主人がそういったことに大変関心がある読書家ですので、是非、教えてやりたいのです」
と尋ねられます。
私はその雑誌「月曜評論」が一般の書店では販売されておらず直接、顧客に通信販売しているこ
とを話し、女性のご主人がインターネットを利用されるのを聞き、通信販売をネットから申し込める
ことをお教えしました。

かくして、言論界から干された松原正氏の主張は少しずつ世の中に知られていくことになるようです。