「洛西の地でフランス歌曲を聴く」
京都洛西の上桂に青山記念音楽館という施設があります。
http://www.h4.dion.ne.jp/~ammh/
この中にバロックザールという音楽ホールがあり(と言うよりこのバロックザールがこの
施設の大半を占めているメインのようですが)、私の顧客の声楽家が毎年7月の第一
日曜日にここでリサイタルを開いております。
フランスものを得意とする声楽家ですが、今年はプーランクの歌曲がプログラムに入って
おり、プーランクが大好きな娘が行きたい、と言うので7月4日の猛暑の日曜日に親子で
行ってきました。
演奏家の奥田様は、「自分の好みだけを押しつけるとお客様が来てくださらないので、
今回はポピュラーな曲もたくさん入れました」と仰ってましたが、確かに「北上夜曲」(安藤
睦夫作曲)や「紫陽花」(団伊玖麿)、「蘇州夜曲」(服部良一)、「フルフル」(Henri
Chatau)、
「白い恋人たち」(Francis Lai)の曲は一般受けするでしょうが、素晴らしかったのはやは
りフランス歌曲でした。
ドビッシー、ラヴェル、プーランクの曲になったとたん、声の張り、歌手の表情が生き生きと
してきた、というのが我が娘の感想でした。
私は初めて聴く、モーリス・ラヴェルの「スペインの歌」「フランスの歌」「イタリアの歌」「ヘブ
ライの歌」が印象的でした。
プーランクの「動物詩集」は実に渋い曲集でしたが、我が娘は「導入部の最初の響きからし
て完璧にプーランクの世界だったねぇ」と言って満足しておりました。
瞬時のズレもない伴奏者との完璧と言っていいほどの呼吸のあった演奏はジャズにおける
インタープレイという言葉を思い起こさせるほどのもののスリリングさがありました。
よほど満足したのでしょう、普段、撮影を嫌がる娘が私とのツーショットに応じてくれました。