"Stardust" 投稿者:怪盗ルパンX・P 投稿日: 9月 6日(月)23時57分31秒
ブリッジ当直の面白さは、繰艦させてくれるところです。とは云っても2艦で行動します
から勝手な動きは許されません。きくづきは、旗艦かとりのお尻を付いてまわりますの
で、艦の間隔を保つための速度の加減くらいしか出来ないのですが、、、、。これが結
構おもしろいのです。
艦と艦の距離は、通常2000ヤード、約900mです。双眼鏡をのぞくとレンズ内に縦横
の目盛りが刻んであります。かとり艦尾の幅が決まっていますから、測距儀やレーダー
から正確な、かとりからの距離を貰って双眼鏡の縦横の目盛幅を確認します。例えば
艦尾幅が1目盛幅に見えれば2000ヤード、2目盛幅に映れば1000ヤードと、概ねの
距離がわかります。
針路の変更や速度の変更は艦長の了解が必要です。が、速度微調整はその限りでは
ありません。スクリュー回転速度を10回転上げる場合には、“黒10”逆に10回転下げ
る場合には、“赤10”と、機関室に伝声管で指示します。ちなみに黒30くらいになります
と、速度の大幅な変化になってしまうのですが、、、。
艦の速度は微速、半速、強速、全速、第一戦速、第二戦速、第三戦速、一杯の8段階で
す。ちなみに全速は21ノット、一杯はそれこそ目一杯の速度です。
きくづきの一杯は31,2ノット約57q/hです。
艦橋中央部からかとりの艦尾を双眼鏡で覗きながら目盛りを読むと、1目盛りを越えてま
す。約1500ヤード、近づき過ぎです。
『機関室・・・艦橋 アカ10』
「艦橋・・・機関室 アカ10了解」
・・・
「艦橋・・・機関室 ○○○回転制定」
『機関室・・・艦橋 ○○○回転制定 了解』
艦橋には司令用と艦長用の2脚しか椅子はありません。きくづきには、司令部は乗艦して
おりませんから司令用の椅子にはカバーが掛けられてます。従ってきくづきでは、艦長し
か椅子に座れないのです。皆立ったままで2時間過ごすのです。艦橋のあらゆるところに、
はたまた天井にさえ捕まり棒が設置されてます。動揺の大きいときに捕まり身体を支えま
す。通勤電車のつり革をぶら下げているロッドみたいなやつです。
月月火水木金金の艦隊勤務に於いて、寄りかかる行為は御法度です。と、云うのは艦艇
の手すりに寄りかかって、手すりが外れたりして、海に落下したりする危険から身を守る
ための躾、シーマンシップなのです。
当直士官が話し好きですと、当直もあっという間に終わります。調子扱いて話に加わりぺ
らぺら話し込んでると、かとりとの距離がグーンと開き、双眼鏡の目盛幅が、1/2目盛り
くらいになってます。慌てて『機関室・・・艦橋 クロ20』
と、令し艦間隔を縮めにかかります。慣れないうちは、オーバ―シュートして、アカ・クロの
繰り返しです。
講釈が長くなりましたが、赤道近くの空は、とても低いんです。銀河鉄道の南十字星は、
星座の形から探しやすいので、γ星は天測用三ツ星の1っですが、さそり座のアンタレス
も赤く輝き何気テンプテーション。この2つの星、私が天測に使う星です。残りの1つは、
濱ちゃんから貰い星。
♪And now the purple dusk of twilight time
Steals across the meadows of my heart
High up in the sky the little stars climb
Always reminding me that we're apart♪
a・l・n 航海日誌