"House Of The Rising Sun" 投稿者:怪盗ルパンX・P 投稿日: 9月13日(月)22時39分0秒
緯度もさがり太陽も間近に迫ってきます。後甲板からは二重反転ローターの無人ヘリコプタ
ーがホバー・テーク・オフします。
“ホヒ〜〜〜ホ〜〜ヒッ 本艦赤道を通過する。”ハンガー前では、トラ柄パンツの赤鬼が首
にでっかい金色の鍵をぶら下げ、手に鉄の棒ひっさげて仁王立ち。艦長が照れくさそうにこう
べ垂れて赤鬼の講釈聴いてます。
“ここから先地球南の入り口、悪しき者は通さぬ。汚れたモノも通さぬ。お主サンディエゴでは
毎日の朝帰り、夜な夜ななんたらパーラーに入り浸って居たのでは無かろうな!”
艦長殿ぬけしやーしやーお答えになるのです。
「そんな卑猥なとこ行っておりません。」
“マッサージ・パーラーが卑猥なとこだと!
お主詳しいな!ま大目に見よう 地球の南では、品行方正にするのだぞ。さすれば入り口の
鍵を進ぜよう
”
“ピッ まもなく赤道 テェー! 赤道通過”
きくづきはエクアドル沖太平洋の赤線を越え南半球へ入るのです。二重反転ローターの無人ヘ
リコプターは、魚雷の代わりに赤色マーカーを抱え太平洋上に赤道を描くのです。ちなみに、日
付変更線はブルー・マーカー青線です。
赤道の辺りは風が無く、帆船時代は、難儀したようです。
風請いの祭りでしょうか、赤道祭は古くから行われているようです。
行程も進んでいることから、会合点(ランデブー・ポイント)を定め旗艦かとりと解列します。
艦長も大喜び、司令官の目の届かないところでは、ほんまもんの、おらが天下になるのですか
ら。きくづきは艦長の
”第1戦〜速!”
の号令であっという間にかとりの視界から消え去ります。小一時間したところで、
”両舷前進微速”
が発せられ艦内放送が流れます。
”午後休養日課 別れ休め”
艦尾からは疑似餌のついたワイヤーが流されます。
釣り吉CPOが後部見張りに「スピード落とせ」と命じます。
“艦橋 後部見張り 先任伍長がスピード落としてくれだと。”と、小声で艦橋の伝令に伝えます。
艦橋では”赤15”が発せられたのか艦速が落ち、絶妙のトローリング速度になります。1メート
ル位のマグロが2本かかり、補給員がすぐ裁き大皿に綺麗に盛り付け赤道際大宴会が始まり
ます。
講釈が長くなりましたが、遠洋航海中は、乗り組み士官しか、外泊が許されません。
我々の帰艦時刻2300。
♪ There is house in New Orieans
They call the Rising Sun
It's been the ruin of many a poor boy
And God I know I’m one 〜 ♪
a・l・n 航海日誌