“El Condor Pasa” 投稿者:怪盗ルパンX・P  投稿日: 9月16日(木)16時08分22秒

寄港前日に外港で化粧直しすることは、前にお話ししたとおりです。ペルーCallaoの外港に
錨泊です。
“てーーーしつ・どろー ”

艦首付近からおもりの付いたコップ状の海底の地質を採取する器具をロープで海中に垂ら
し、たぐり寄せては中身を確認し艦橋と錨作業士官に抑揚をつけ唄うように報告します。
艦艇では、風やエンジン音なので聞き取りにくいこともあり、抑揚を付け大きな声で伝えます。

「取り舵、面舵」も同様で
「とーーりかーじ」「おもぉーかーじー」と、云う具合に。

“底質は泥”底質により錨鎖の長さが決まります。錨鎖1節が25メートル。だったと思う。
底質が岩の場合5節、泥は7節、砂は9節と云う具合に錨の出す長さが決められます。
もちろん風が強い場合はそれに応じて1.5倍とか、増やします。

“わーーずかーに・すすみまーーす。”

ロープの端を掴んでる錨作業員は艦速も併せて報告します。

“いきあーーし・とまりまーーす。”の報告で、艦橋では

“りょうげん・こうしん・はんそーく”の号令とともに錨作業士官は、

“錨入れー!”と号令します。

鉄槌がガーンとふりおろされ、錨を止めているフックのピンを外します。錨はその重さで
”ガラガラガラガラ”と、すさまじい音とともに海中に吸い込まれていきます。後進の行き脚が
ある中、時々ストッパーで錨鎖が出るのを止め、錨を海底に噛ませます。
艦は錨を基点に風見鶏となり、風の吹く方向に円を描き触れ回ります。
一隻の漁船が近づき、フィシャマンセーターの漁師が何やら大きな手振りでまくし立てます。
魚を差し入れてくれるようです。晩秋のペルー、インディアンサマーの夕暮れです。

♪ Away, I'd rather sail away
     Like a swan that's here and gone
  A man gets tied up to the ground
  He gives the world its saddest sound
              Its saddest sound ♪

 a・l・n 航海日誌

“El Condor Pasa”partU 投稿者:怪盗ルパンX・P  投稿日: 9月16日(木)17時29分43秒

間違え講釈に気づきました。
錨入れ作業はあらかじめ海図上に定めた錨地に、艦を進め機械を停止させ、行き脚のある
状態で前進しながら錨地の底質を確認し、繰り出す錨鎖を決定。
後進しながら再び海図上の錨地を通過するとき錨を入れるのです。

さて、ペルーの首都リマは、緑の館の主人公、妖精リオラマ『リーマ』から命名されたのです。
私は、高校時代に読んだ『リーマ』を探しに遠洋航海に臨みます。

♪ Yes I would, if I only could, I surely would ♪

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