01115 “ River of No Return ” 投稿者:怪盗ルパンX・P 投稿日: 8月12日(木)15時06分56秒
濱ちゃんポッチャン騒動後に度々行われた、操艦術を磨くには一番の溺者救助訓練では、溺者を特定する
人員チェックで、必ず誰かが『濱 居るか』と、叫ぶのでした。
日付は代わり、朝靄のたなびくサンディエゴ外港では、ガラガガラガラと静寂を破り、錨をたぐり寄せ、前進し
ながら、練習艦隊が一斉抜錨し、旗艦かとりを先頭に、単縦陣で出航するのです。
程なくして、威勢の良いラッパとともに
“錨地まで5マイル 入〜港〜よ〜〜い!”
と、元気もりもり、期待わくわくの号令に続き、
“作業に関る者の他 総〜員 登舷礼の位置!礼装に着替え!”
の指示がありエンスンは詰め襟長袖の夏制服に着替え、白手袋をはめ、デッキに整列するのです。
サンディエゴ湾に差し掛かると左岸は切り立った崖、右岸にはもやの中に係留された米海軍の軍艦がその威
容を現します。
旗艦かとり艦上から米国大統領へ礼砲が ポン ・ ポン ・ ポンと、頼りなげに発射されます。と、
“ど・ど・ど・どっかあ〜〜〜ん〜ぁん〜ぁん〜ぁん”と、
米国からの返礼砲が鳴り響き、左岸の切り立った崖と、右岸の米海軍の軍艦の間を行ったり来たりいつまでも
轟きます。ペリカンがビックリ仰天して一斉にぱたぱた飛び立ちます。
エンスンもビックリして、眠気眼がビックリ眼に変わります。21発の礼砲交換がが続く中、あこがれのアメリカに、
二十有余年待ちに待ち続けたプラ・ブロに、もうすぐ上陸できるのであります。
エンスンX・Pに、マリリンが優しく微笑み、あの声で囁くのでありました。
“No Return No Return No Return ”♪