プラハからの便り 2006.01.03  by 北場 真澄

新年、明けましておめでとうございます!
今年の大晦日は友人の家で過ごし、サーモン寿司と年越し蕎麦で無事に新年を迎えること
ができました。スモークサーモンのブロックのものを塩抜きして“にぎり”にしたの
ですが、チェコではお寿司なんて高くて滅多に食べられないので、すごく贅沢な気分でした!
さて、こちらには“お正月休み”というものがないので、お休みは1月1日まで。
2日からは普通に会社も学校も始まります。日本人としてはもう少しゆっくりしたい気も
するのですが、休み明け早々に色々と試験があるし、卒業演奏会の準備に、いい加減卒業
論文(チェコ語で40枚!)も書き始めなければいけないし・・・、あんまりのんびりとも
していられません。(笑)

友人の家のクリスマスツリー。


今回はプラハの写真をいくつかお送りしてみます。

まずはプラハのシンボル、プラハ城とカレル橋。

これはチェコフィルの本拠地であるRudolfinumの前から撮ったもの。コンサートが終わって外
に出ると、いつもライトアップされたプラハ城が見えます。

“芸術家の家”とも呼ばれるRudolfinumは1876年―1884年にかけて完成されたネオ・ルネッ
サンス様式の建物です。ここのドヴォルザーク・ホールはとても響きが柔らかくて、大好きな
ホールです。


旧市街広場のクリスマスツリーとクリスマスマーケット。
奥にあるのがティーン教会。(1365年に建てられたゴシックの教会。)
左右の塔の太さが微妙に違うのは、右がアダムで左がイブだからだそうです。

ティーン教会の左手前に宗教改革者ヤン・フス(1372頃-1415)の像があります。
彼は“大切なのは巨大な教会の建物でもきらびやかな祭壇でもなく、聖書の福音である“と
説いて、金と権力によって腐敗したカトリック教会を批判し続けました。(マルチン・ルターの
100年以上前に!)神聖ローマ帝国の皇帝によって召喚されたコンスタンツ公会議でもロー
マ教皇を前に自らの信念を述べて権力に屈しなかったため異端宣告を受け、1415年に火刑
に処せられます。フスはチェコ民族にとっては英雄的存在で、没後500年を記念して作られ
たこの像の台座には“真実を愛し、真実を貫きなさい“という彼の言葉が刻まれています。
彼が処刑された7月6日は“ヤン・フスを偲ぶ日”としてチェコの祝日になっています。
(ちなみにこの日は私の誕生日で、チェコ人に“フスの日”というとすぐに覚えてもらえます。)

クリスマスマーケットの様子。

クリスマス飾りのクッキー。魚の形をしたものがあるのは、チェコではクリスマスに鯉を食べ
るからです。

夕方になって、ライトアップされたところ。

新しい年が良い一年になりますように!