まだグループの名前もついてないジャズカルテットの誕生

私の顧客がジャズのカルテットを結成しました。
Y.Yさんは音楽大学のピアノ科を卒業された女性ですが、ジャズに魅了され、音大卒業
後にアルバイトをして資金を作り、ジャズの専門学校に1年間通ったのです。
通った専門学校のカリキュラムはかなりハードなもので、相当しんどかったことをY.Yさん
は言ってました。

そのY.Yさんがこの度ジャズのグループを結成したのです。
ピアノに、エレキベース、エレキギター、ドラムというカルテットです。
記念すべき8月21日の第一回目のライブは彼女がアルバイトでバレエ教室のピアノ伴奏
をやっているスタジオに隣接した喫茶店でのものでした。
バレエ教室に設置しているアップライトピアノをライブ当日に喫茶店に移動させるとのこと。
そのピアノの調律を私は依頼され、8月15日に移動される前のバレエスタジオで私は苦
労しながらピアノを調律したものでした。
前回、調律時に別の調律師が演奏家の厳しい注文に何とか応じようと5時間もピアノをいじ
くった後、ピアノの音がひどく汚くなったとY.Yさんが指摘されるですが、確かに硬質の音色
なのに音に伸びが無い状態で、しかも一番旋律ラインとして使う次高音部で2箇所ほど音が
ひずむのです。
もう少し音色をソフトに、というY.Yさんの要望に応えるためにハンマーに針刺しし、音のひ
ずむ箇所について調べたところ、原因は判明しませんでしたが、響板と鉄骨の間に分厚く固
いくさび状のフェルトを挟みこむと治ったので良しとし、音の伸びがないことについてはどうし
ようもないのでそのままにして作業を終えたのです。

しかし、演奏者のY.Yさんも私も6日後に移動された後のピアノの状況に一抹の不安感を抱
いておりました。
空調が変わって調律がひどく変化しないか、6日間の間にピアノはバレエレッスンで弾かれ
ているだろうから大きく狂ってはいないだろうか、移動時のショックで挟んだフェルトが外れた
りしてはいないだろうか。
そこで、ライブ当日、ピアノが移動し終えた後のリハーサルのときに様子を見に行くことにした
のです。
四条畷市にある喫茶店(コンクリート建物手前)とバレエスタジオ(向こう側)


練習しているのが外から見えます。


なかなか良い雰囲気で皆さん練習しておられます。「初めてのライブなのですごく不安なので
す」というY.Yさんですが、ジャズの演奏は堂に入ったものでした。


ピアノも調子は良さそうで、バレエスタジオよりもこちらの方が格段に音の響きも音色もいいと
いうことで演奏者と調律師の意見が一致しました。


ドラムもエレキベースもギターもバランスが揃ってました。特に音量がほどよくバランスしている
のは見事なものでした。

紅一点ですが、カルテットをリードしているのはY.Yさんのようです。
常に皆の演奏をチェックするような眼差しを向けます。


最初は前パネルをつけたまま演奏していたのですが、エレキベース氏のピアノの音が聞き取りに
くい、という意見に応じて前パネルを取り払ったところ、音はより鮮明なものとなりました。


演奏曲は12曲だそうですが、Y.Yさんはクラシックピアノしかやって来なかったのに、ジャズの
演奏もなかなかのものであり、私は夕方からの本番を聴けないのが本当に残念でした。
しかし、これから彼らの演奏を楽しむ機会はいくつもあるでしょう。
さて、何という名のカルテットになるのでしょうか。
まさか「単なるカルテット」とはならないと思いますが・・・