6/27 2001 HP掲載
南イタリアの旅
アマルフィ
ナポリ空港からバス(ソレント乗り換え)で3時間あまりのアマルフィへ。
この空港・ソレント間のバスは、一日に4本しか運行されていない。
アマルフィは、海洋共和国としてローマ帝国滅亡後も地中海に君臨した
アマルフィ共和国の古都であり、アマルフィ海岸は1997年、ユネスコの
世界遺産に認定された。
町の中心に建つモザイクの美しいドゥオーモは、唯一繁栄の歴史を感じ
させるが、現在ではとてもこじんまりとした港の観光地、といった印象の
町である。
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モザイクが美しいドゥオーモ
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海から見たアマルフィの町 |
アマルフィ海岸は断崖絶壁である。因って海岸沿いに建つホテルから
そのプライベートビーチへ降りるには、エレベーターを利用することとな
る。ビーチとは云っても、砂浜のところはほとんど見かけない。
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アマルフィの港 |
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左に見えるエレベーターでプールサイドへ降りて行く |
ラヴェッロ
アマルフィからバスで30分の高台の町である。
バスはヘアピンカーブの道を、スピードを出し登りつめて行く。「日光いろは
坂」どころではない、まるで「ラヴェッロABC坂」である。
途中の急斜面はレモン畑。ぶどうの木もちらほら見えるが収穫が大変そうだ。
ヴィラ・ルーフォロのバルコニーからは、海岸の東側遠くまで見渡せる絶景
で、ワーグナーがその美しさに感動し、後年そのイメージから「パルシファル」
を生み出したとか・・・(地球の歩き方より)毎年7月にはこの絶景をバックに
ワーグナー音楽祭が催される。
確かに美しい景色ではあるが絶景かな?ワーグナーは、このイタリア旅行で
初めて海を見たのかしらん?
こういう話題は Herr Funants von Koenigwert, Frau Okada がお詳しいのでは。
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ラヴェッロに向かう途中のレモン畑、急斜面です |
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ラヴェッロ ヴィラ・ルーフォロのバルコニーからの絶景? 曇り空でした |
カプリ島
アマルフィからの伊語・英語混在のツアーでカプリ島へ。
船から見えるアマルフィ海岸は、白い建物が印象的で本当に絵画的な美しさ!
しかし、あんな急斜面の崖によく家を建てたものぞ・・・・・
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雨に煙るアマルフィ海岸 |
カプリ島ではアナカプリで自由行動の後、昼食。希望者のみ、ガイドのおじさん
お奨めのレストランで、スリーコースのランチを半額で食す。「僕は毎日お客さん
を連れて来ているから安くなるんだよ!」
お値段半額なら、お味も半分といったところ。
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カプリ島 マリーナ・グランデ |
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アナカプリから見たマリーナ・グランデ |
この地方特産のレモンチェッロ(レモンのリキュール)や華やかな絵の陶器の店
カメオや珊瑚の宝石店が軒を連ねているが、ここアナカプリの店は、ほかよりも
少し垢抜けて見える。
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この地方の名産・レモンチェッロ |
私がカプリ島へ行ったのは、「青の洞窟」を見たかったからであるが、このツアー
には含まれていない。天候に左右されるから、がその理由であった。次に向かっ
たカプリからケーブルカーで下ったマリーナ・グランデより、青の洞窟行きの船が
出ていることを、ガイドのおじさんから教えられて急いで向かうも、他のツアー客
(欧米人・約30名)は来ない!エッ、我々だけ?不思議。
ケーブルカーを降りたところで、早速、青の洞窟行きのボートの客引きに捕まる。
通常料金の2倍をふっかけられる。但し、我々ふたりだけの貸切になるそうで、
私の心は動くが、同行者は「ノーといえる日本人」であった。
定期船(20人乗り)で青の洞窟へ。洞窟前で4人乗りの小さな手漕ぎボートに乗り
換える。ボートの船頭さん、ニホンゴ、ウマイネ!「床に座ぁ〜る!」「special for me」
いよいよ青の洞窟の中へ・・・・・夕刻の満潮時なのか出入り口の狭いこと。
身を低く屈めて、いざぁ―!
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青の洞窟入り口 陸路もある |
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このボートに乗り移る |
中に入って振り返って見ると、やはり美しかった。洞窟内に差し込む太陽の光の加減
で午前中の方が鮮やかなブルーらしいが、今回は夕方で天候も悪い状況下。
しかし、私の好きなターコイズブルーが、ゆったりとたゆたう・・・・・うぅ〜〜ん・・・・・
きっと、ここを訪れた人それぞれの青、青、青が、あるんだろうなぁ〜〜
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青の洞窟 あんなに狭いところから出入りします |
船頭さんがカンツォーネを唄ってくれる。狭い洞窟の中を声が響くので、それは
うまく聴こえることといったら。唄いながら「special for me」「もう一回、廻ぁ〜るっ」
「special for me」 「special for me 」 →チップのことです。
静寂の中で、もっとゆっくりできれば最高なのだが、そうはいかない。
リンダーホーフ城の中の人口洞窟に似てはいるが、我々はルードヴィッヒではないの
だから・・・
洞窟から出るとき、オールで掻いた海水が私の左半身をずぶ濡れにするも、この
船ドー、チップを要求するのである。渡した5,000リラ・約300円が不服とみえ手を
引っ込めないのであるが、細かい持ち合わせもなく、ずぶ濡れにされた私の方が
「special for me
」だぁーい!
ボートでは床に足を投げ出して座らねばならないので、汚れても、そして濡れても
惜しくない服装でどうぞ。
この洞窟入り口までは、陸路でも行くことができる。
ポジターノ
小説や映画の舞台となった華やかなリゾート、だそうだ。残念ながら車中から眺め
るのみ。アマルフィ海岸は急カーブの連続だが、地元SITA社のバス運転手は飛ば
す、飛ばす――。カーブでの離合は東大寺の仁王像である。ここで運転できれば、
どこのバス会社にでも就職できそうである。
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ポジターノの町と港 |
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左側 崖の上を通る道路 下はポジターノの町 |
ソレント
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ソレントの夕焼け |
♪帰れソレントへ♪でお馴染みのリゾートである。
ナポリ湾越しに「
ヴェスヴィオ火山」が見え、ナポリの夜景も美しい。
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ソレントの港 |
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ホテル 晴れていれば左前方にヴェスヴィオ火山が見えます |
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薄暮のソレント |
イタリアは外ネコが多い国と思っていたのだが、ソレントでは何故か道に横たわる
ソレントの町は、土産物屋を冷やかしながら、そぞろ歩きをするのに丁度いい広さ。
食事も勿論おいしく安い。が、北イタリアのように洗練されてはおらず、名物料理
といえばピッツァ・マルゲリータ。この地方特産のモッツァレラチーズとフレッシュ
トマトにバジルがのっている。魚介類のパスタもおいしく、スパゲッティのモチモチした
食感が何ともいえなかった。
ワインが安いのもいいなぁ〜〜!
Allora!
ホテルでの遅めの朝食のあとは木陰で読書。エレベーターで海岸に降りて日光浴、
泳ぐもよし。(5月下旬では、まだ水が冷たかった)プールサイドでのランチの後は
部屋で読書、昼寝するもよし・・・・・有り体に言えば「食っちゃ寝!」
まさしく、バカンスである!?
池波正太郎著の「むかしの味」を読みながら、イタリアンもいいが、やはり
「蕎麦が喰いてぇ―い!」 家に戻るまで叶わぬことと思っていたのだが・・・・・
この地方の特産品は、象嵌細工・カメオ。カメオのデザインでは女性の顔がポピュ
ラーであるが、馬も多く見受けられた。馬はイタリアでも神聖視されているのだろうか。
猫のもありましたよ!
ソレントで泊まったグランド・ホテル・ローヤルは、お値段一寸高めだがお奨め。
バスタブが深めでゆったり。
部屋にいながらにしてヴェスヴィオ火山が見える絶好のロケーション。
但し、海側の部屋が条件だが。
いよいよソレントやアマルフィ海岸のあるカンパーニャ州ともお別れ。乗り継ぎ便の
関係(飛行機代節約のため)でミラノ・マルペンサ空港近くのホテルに泊まる筈だった
のだが・・・・・
このホテルだけ旅行社任せにしていた。空港近くと聞いていたのだが、ホテルへの
シャトルバスが出ている気配もなく、そういえば去年来たときも近くで大きなホテル
を見かけなかったし、結果→ミラノ中央駅近くのホテルだった。空港・駅間はバスで
50分。タクシーには乗らないぞぉ―。(節約してるの!)教訓・・・人任せにしないこと。
しきりにぼやく私。同行者曰く「駅の近くだったら和食のレストランがあるよ。」
そうだ、蕎麦が喰えるのだ!日本酒も呑めるのだ!!!
ホテル・チェックイン後すぐに和食の店○○○に向かい、蕎麦・海老真蒸揚げetc.
食したことは、いうまでもない。運がいいんだか悪いんだか?
以上、5月下旬の9日間のバカンスであった。
あるドイツ人曰く 「バカンスは最低3週間は必要である。最初の1週間で仕事から
離れ、次の1週間は何事にも囚われずくつろぎ、最後の1週間で現実に戻っていく」
せめて2週間あればねぇ〜。今回は同行者が特別に休暇を貰えたので、なんとか
9日間の旅になったのだが、ここアメリカ・マサチューセッツ州は祝日が少なく、日本
に比べ損してる気分。リフレッシュは必要ですよね!
最後に「青の洞窟」でのチップについて
この旅行から帰って来て、ホープツアーのイタリアに関するサイトを初めて見て、青の
洞窟に入るボートの船頭が多額のチップを要求することを知った。
このボート代は、二人で15,000リラ(900円)なので、我々が渡した二人で5,000リラ
(300円)は、ちょこっと唄ってくれたことを考えても妥当、決して少なくはないチップだと
思う。(これも最初は2,000から3000リラのつもりが、おにいちゃん手を引っ込めない
ものだから結局5,000リラ渡してしまったのだ)
どうも日本人と見るや、ふっかけるようなのだ。そういえば数隻のボートが我々の船に
近づいて来たとき、この船頭はこちらを見て盛んにイタリア語で「日本人か?」と聞いて
たもんねぇ―!ところがどっこい。こちとらそう甘くはないんだよ―。
一般的には、ここでは1,000リラのチップらしい。が、日本人と見れば通常その10倍
要求してくるらしい。なかには20,000リラ、30,000リラなんて人も・・・
勿論、船頭さんがドミンゴ張りの美声で唄ってくれたから・・・渋い、いい男だったから
チップを弾んじゃおう、は構わない。が、日本人が鴨にされている現状には腹が立ちま
せんか?日本人の団体ツアー客は、4人乗りのボートに6人押し込まれるなんて話も
あるようなのですが・・・
青の洞窟にいらした方、あなた様のときは如何でしたか?
イタリア旅行以来、以前にも増してイタリア料理に凝っている私であるが、宮原さんの
ピッツァには負けるかな?
今度、あなたも食べに来る?!
以上、早く旧姓・草場に戻りたい ヨーコ トドノ でした。
* 編集部より
Yokoさんは昨年末にも、 年の瀬写真で皆を楽しませてくれています。
<仲間大集合>にも登録してありますので、次回作を是非お願いしましょう。
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