11/9 2005掲載


ハナパパのアンナプルナ・トレッキング Part3

Part2はここ

map by 興平

10月20日

昨夜は一晩中雨が激しくロッジのトタン屋根をたたいていた。7時に食堂に行き朝食を摂るが
雨足は一向にやむ気配がない。今日は停滞したいな思っていたが、サロジ君は移動したほう
が良いという。彼の忠告は聞いていたほうが良いので、覚悟を決めて土砂降りの雨の中を歩
き出す。石段の下り道が多くなってきて滑るので速度は遅い。
長い長い石段をくだり、つり橋を渡ると今度は長い長い急な石段の上り。レインウエアの中が
汗でびしょびしょになった。やっとの思いで上りきったところが、2日目に泊まったチョムロンで
本来の予定ではそこから1時間ほど下ったジヌダンダだったが、ロッジはここのほうが良いとい
うことなので、ここで泊まることにした。ホットシャワーを浴び乾いた服に着替えてやっとほっとする。
2時を少しまわったくらいで何もすることがないので、寝袋にもぐりこんで持ってきていた文庫本
を取り出したら、雨でふやけている。松本清張の高校のときに読んだ、わるいやつら 上下、を
持ってきたが、あまりにも社会状況がかけ離れているのでちっとも面白くないが、寝てしまったら
夜が寝られなくなるので我慢しながら読んだ。
(この本はポカラで読み終え、カトマンズの本屋で100ルピーで引き取ってもらった)

相変わらず外は雨が降っているが幾分小降りになってきた。4時過ぎに我々が
MBCから下っ
て来た時に出会ったサロジ君の同僚のガイドがロッジに着いた。19日は上では雪が降っており
20日の朝までに50cmの積雪になったそうで、今朝7時に
ABCを出発し、雪の中やっとのこと
で帰ってきたとのこと。
ABCに泊まらずに良かったと思うとともに、この計画がもし1日でも後ろ
にずれていたら途中で引き返す羽目になっていたので本当に幸運だった。


10月21日

7時半出発、一応雨は上がっているが、いつ降り出してもおかしくない様な空模様。ジヌダンダ
への道は谷に向かっての急勾配の石段の下り道だった。ジヌダンダに着いてもまだ雨は降り出
していなかったので、茶店にザックを預け温泉に入りに行くことにした。谷底まで下ること20分
川岸に湯船が三つあり
お湯は湯船の横の斜面からチョロチョロという感じで流れでている。貸しきり状態だったがこちらの
ルールに従い水着に着替え順番に入ってみたが、お湯は無償透明で40度無いくらいの湯温だ。
横には氷河からの冷たい水が轟々と音をたてて流れているので、湯から出ると寒い
お湯につかってゆったりとしていると左手に
何か黒いものがついている、ゴミかなんかがついたのかと、こすっても取れないので良く見るとヒルが
2匹噛み付いて血を吸っていた。これもはじめての経験。(後でも脱いだシャツにひっついていたのが
いて、わき腹もやられた)本で読んでいた通り噛むときに血が止まらなくなる酵素を出すのか傷口は
小さいのにいつまでも血が止まらなかった。お湯に長く浸かってゆっくりするつもりでいたけれど、雨が
降り出してきたので戻ることにしたが、茶店まで40分の上り道で汗ビッショリになった。雨の中をニュー
ブリッジという所まで下り、川岸のロッジで昼食をとり対岸に渡る。ここの橋も丸太を4本渡したもので
下を流れる川は降り続いた雨で増水し、その流れも急でスリル満点だった。川からはまたいつものよう
に急斜面の上りになり、疲れ果てて尾根にあるランドゥルクの村のロッジに2時半に着いた。


ここは初日に泊まったガンドゥルクの谷をはさんで真向かいにある。今日で3日雨の中を歩いている。
持っている服もじめじめしだした。早く乾いたさっぱりした服が着たい。


10月22日

雨は一応上がっているが、空はどんより曇っている。7時半に出発するが、また雨が降り出す。
これで4日連続の雨、
ABCでは恐らく2m位の積雪だろうとの事、閉じ込められなかった事を思えば
感謝しなければ、、。トルカという集落までは畑の中のゆるい上りで楽だったが、そこを過ぎると森の
中の急登になる。

5日前に追いはぎが出て二人連れの西洋人の女の子が被害にあった現場だそうだ。誰にも会わず
に1時間ほどで森を抜け、デウラリという集落について、ほっとする。ここが下り道の最高度地点で後
は、最終地点までずっと下り道との事、もうきつい上りを歩かなくて良いと思うと、飛び上がりたくなる
ほど嬉しい。ゆっくりした下り道を歩き11時過ぎにポタナという集落で昼食をとる。休憩中に雨がやっ
と上がり日がさしだした。1時過ぎに今日の目的地ダンプスに着く。

ここは、アンアプルナの絶景のポイントなので是非泊まって夕日に染まる山なみを見たら良いですよと
言われて期待していたが、天気がかなり回復してきても山頂部は相変わらず雲の中で、夕日も山腹を
染めただけっだった。


10月23日

トレッキング最終日。刈入れの始まっている棚田の中の急な石段の道を下り、1時間ほどで最終地点
ペディに着いた。

トレッキング客を運んで来たタクシーをつかまえてポカラのホテルに帰りつくとすぐ風呂に入り、預けて
おいた乾いた服に着替えてやっとホッとする。明日からはもう歩かなくて良いと思うと嬉しくもあるが、
その一方で終わってしまった寂しさも感じる。


10月24日

自転車を借りて、ポカラの町を散策する。ローカルの市場は活気にあふれていてわくわくする。


しかしさすがに10日間の疲れが溜まっていて4時間が限度だった。夕食を食べたイタリアンレストランの
ピザは久しぶりに美味かった。


10月25日

飛行機でカトマンズに戻る。
SAAB340Bという
35人乗りの可愛らしい双発の飛行機だった。左側の席に乗るように言われていたのでそのようにすると
離陸してから40分間カトマンズに着くまで雲の上に顔を出しているヒマラヤの高峰を眺めることが出来た。


ホテルに着いて町に買い物に行く。昨年買い物をしたインドラチョーク
(ローカルの市場の在る所)の
香辛料屋に行ってみるとオヤジが顔を覚えてくれていて、今年は少しまけてくれた。異国の地で顔見知りが
出来るのは本当に嬉しい。疲れが取れてなくて長くはうろつけなかったが、夕食を食べたチッベト料理のロ
ーカルレストランのモモ(ほぼ日本の餃子)は噂にたがわず美味かった。


10月26日

帰国の日、出発前に昨年色んな理由で付き合いが出来たカトマンズの幼稚園を再訪することが出来ました。
小さい子供たちが皆で、ナマステと可愛いい手を前で合わせて挨拶してくれるのが嬉しい。


来年の再訪を約してさよならをする。次は少し時間をとって一緒に遊びたいなと思う。

今回も、つらいこともあったけど、自然の雄大さを満喫し、本当に楽しい旅をすること
が出来ました。少しですが人とのつながりも出来、また必ず近いうちに戻ってくるぞと
思いながら、カトマンズの空港を後にしました。

                            おわり。

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