11/8 2005掲載

ハナパパのアンナプルナ・トレッキング Part2

Part1はここ

map by 興平

1018

7時過ぎに出発する。昨日より、おなかの調子が悪い。気をつけていたつもりだったが、昨日の
朝食に食べたチベッタンブレッド(チャパティを油で揚げたようなもの)の油がまずかったような気が
する(帰国するまでこの状態が続いた)。

今日は
MBCまでの1200mの高度を登らなければならないのでいささか心配になる。
途中、ヤギと羊の大群が牧羊犬と共に下ってくるのに遭遇する。道いっぱいに下りてくるので、避
けて待つしかない。全部通り過ぎるのに
10分近くかかったが、生まれたばかりでまだへその緒がつ
いた子羊が必死で母羊の後を追っているのが可愛かった(JPG31-1)。羊たちが通った後の道は
フンだらけ、、。つぎに通過したロッジのあるヒマラヤホテルでは道がロッジのテラスを通っているので
おばあさんが掃除に一生懸命だった。
11時にデウラリ(3230m)に到着し、すこし早いがこの先MBCまでロッジが無いので昼食にする
(至る所で滝が見られる)。

3000mを過ぎると待ってましたとばかりに、頭の芯に鈍痛が始まり食欲がわいてこない。
無理やりスープヌードルを食べるがちっとも美味しくない。食事を終え出発しようかとした時に、日
本人
3人組が登ってきた。彼らは今日はここまでだそうで、高度順応をするそうだ。出発してしば
らくすると道にブルーシートがはってあり数人の男達がいるので、これがマオイスト達かなと思ったら、
道の補修工事をしているところだった。しかし寄付を要求された。このあたりに来ると谷がだんだん
細くなり樹林帯も無くなり、枯れた草と岩の世界になる。上りになると息が苦しい一歩一歩に深
呼吸が必要になり、はく息も白くなってくる。
(正面のつきあたりがMBC)

空模様もガスが出てきて、悪くなってきた。谷がひらけてきたら
MBCの数軒のロッジが見えてきた
(MBCのロッジ)

下から
2軒目のロッジに部屋が取れた3時少し前だったが、太陽が完全に隠れているのですごく寒い。
リュックから持ってきた厚手のダウンジャケットやフリースの上下などを着込んで、やっとほっとする。
食堂にはすでにケロシンストーブが焚かれていて暖かい、外は
45℃位だと思う。あたりが暗く
なる前にわずかの間ガスが切れてマチャプチャレガ目の前に聳え立っているのを眼にすることが出来た。
(MBCから見るマチャプチャレ)

夕食を頼むが、全く食欲がない、ガーリックスープでチャーハンを無理やり流し込む。相変わらず頭
痛が続いているので食後にバッファリンを
2錠飲んだ。ガイドのサロジ君から明日の予定を尋ねられる。
最初の予定では、明日は
ABCまで上りそこで泊まることになっている、そのとおりにするなら明朝の
出発は8時でよい。しかし天気があまり良くないし、くだりの後半の事を考えると、
ABCに上った後
バンブーまで下っておいた方が後が楽になる、そうすると明朝の出発は4時起床、4時半出発で
AB
C
から下ってきてから、朝食、荷造り、下山になる。どちらにするか決めてくれとの事。かなり悩んだが、
高山病の諸症状や天気の事も気になっていたので、後者を選んだ。


10月19日

少し寝過ごし4時20分に起き、大慌てで用意をして真っ暗の中を出発する。厚手のダウンジャッケト
を着ていてもあまり汗をかかない、もっとも4000
m近くなので一歩一歩に深呼吸が必要なくらいの足
運びの速度だから。
30分位上ると後はなだらかな上りの草原の道になった。夜も白んできてあたりを
見るとうっすら雪が積もっているし、ガスもかかっている。
(ABCが見えてきた、正面はアンナプルナサウス)

丁度2時間かかって
ABC(4130m)に着いた。まわりは何にも見えないので、晴れてくれるのを待って
ロッジの食堂でお茶を飲みながら待機する。7時過ぎたぐらいだろうか、明るくなってきたので外に出てみ
るとガスの間からアンナプルナ1が姿を見せた。


左手の真上に見えるようなアンナプルナサウス(7219m)からアンナプルナファング(7647m)真正面に
アンナプルナ1(8091m)、グレイシャードーム(7202m)、その少し右手前にテントピーク
(5663m)、
その奥にガンガプルナ(7454m)その横にアンアプルナ3(7555m)右後ろにマチャプチュレ(6993m)、
真後ろにヒンチュリ
(6441m)、360度氷壁に囲まれている。美しい、、、。

5日間苦しい思いをしてきた者にだけに見せてもらえる神様からのプレゼント。
アンナプルナ1の左右からせり出してきた氷河がひとつになり僕が立っている足元を横切っている。


谷筋から常にガスが沸きあがり山々は見え隠れするがそれがかえって神秘性を増してくれる。
ここに留まって刻々と光によって変化する山々を一日中眺めることが出来たらどんなに素晴らしいだろう。
ABCに泊まるのをキャンセルした事を悔やみ、後ろ髪を曳かれる思いで何度も何度も振り返りながらABCを後にした。


9時前に
MBCのロッジに帰り着き、朝食を摂って大急ぎで荷物を片付け、下山にかかる。
この時分にはまたガスが出てきて回りは真っ白になってしまった。下山途中例の3人組とその他にガイドを
連れた単独の日本人2組とすれ違い言葉を交わす。またガイドのサロジ君と同じ会社のガイドが西洋人
の女の子と2人で上ってきたが彼らは
ABCまで上って一泊するそうだ、彼らとはチョムロンで再会することになる。
空にかかっていた雲がだんだん黒くなってきてぽつぽつと雨が落ちてきだし、ホテルヒマラヤについて昼食を摂って
いたらいよいよ本降りの雨になった。雨の中を歩くのは高地でもあるししんどいので予定を変更して今日はここで
泊まろうと思ったが、誰しも考える事は一緒で部屋がとれず、レインウエアを着て出発する。2日前に泊まった
ドバンでもやはり部屋がなく結局予定通りバンブーで泊まる。途中上るときは小川だったのが急流になってい
る所が2箇所ほどあり渡るのが怖かった。夕食後雷が鳴り出し雨は土砂降りになった。


続く・・・

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