7/22 2003掲載

木曾駒ケ岳 尾瀬の旅  その2     Part1はここから
 
9年前初めて尾瀬を訪れた時、なんとも言えない気持ちの
良さに陶然としてここは現代の桃源郷ではと思いました。
宿泊する山小屋では石鹸、シャンプー歯磨き粉を使わず
ごみは各自持ち帰るということに、今では当たり前のことも
当時の私にはカルチャーショックでした。
 
尾瀬の景観の美しさの背景には自然を守り育てる人々の
真摯な努力があることをを知ったとき、あの気持ちの良さは
感動になりました。
 
 
前日の天気予報では尾瀬の2日間は雨とのことで
覚悟していましたら、当日の尾瀬はときたま日がさしていて、
梅雨時で入山者も少なく快適なスタートになりました。
前回の経験から負担の少ない、バスで鳩待ち峠から入る
というコースにしました。ここから下り一方になります。
と言うことは帰りは登りになります。

 
尾瀬は周りを2000m前後の山に取り囲まれた盆地状
の高層湿原になっており、東西にシンボル的な山があり
前方の山は西にそびえる至佛山(しぶつさん2228m)です。
 
 
手前にニッコウキスゲ、白い点のようなものはワタスゲで
その先にはだけかんばの林が続いています。
 
 
至佛山は花の宝庫として知られ、残雪期の5月中旬
から6月下旬まで植生保護のため入山禁止になっています。
 
 
はるか前方には東のシンボル燧ケ岳
(ひうちがたけ2356m)が見えます。
 
 
燧ケ岳と地塘(チトウ、一種のたまり水)と浮島。燧ケ岳は
東北一の高山で、尾瀬が原と尾瀬沼の原型を作り出した山です。
火山活動の名残を思はせる荒々しい山容をしています。
 
 
その夜は山小屋に泊まり、夕食後談話室で木道の工事
をされている方(4人、酒なし)達と交流しました。写真の方は
76歳の現在もまとめ役として頑張っていらっしゃいます。
その時若い方から木道は、尾瀬の自然を守るためにつく
られているということや、尾瀬周辺の地域の人々の陰の
協力話を聞いて、思い出深い出会いになりました。
 
 
翌朝同じ山小屋で言葉を交わした新潟県の朝日村から
来た小学生たちの出発で、山小屋の方たちに感謝の挨拶を
している所です。これから雨の中三条の滝に向かう子どもたちの
無事を願いながら見送りました。このあたりでは小中学生の
教育登山がよく行われているようで、駒ケ岳でも聞きました。
 
 
尾瀬が原のひうち小屋に一泊した翌日は又もや雨で
完全な防水具をつけて降りしきる雨の中、滑りやすい
木道に細心の注意を払いながら無事山の鼻ビジターセンター
に着いた時は雨もやみ、尾瀬植物研究見本園を
ゆっくり散策することができました。右は妹。
 
 
尾瀬の裏方として存在感のある「ポッカさん」。
自動車が入らない尾瀬は、荷物の運搬はこのポッカさんか、
ヘリコプターで運ばれています。この日は金曜日でしたので
週末の準備でしょうかヘリコプターが盛んに離発着していました。
 
 
尾瀬植物研究見本園の地塘に逆さに写る至佛山。
地塘に咲き始めたオゼコウホネ。時期が速かったのか
これからという感じでした。
 
 
見本園の中の木道で妹と昼食。おにぎりの美味しかったこと。
 
 
このたびは尾瀬が原だけをまわりましたが
尾瀬の湿原の中に身を置いてまわりを見渡したとき、
広々とした静かな空間、気の遠くなるような長い時間を
かけて創り出された自然の素晴らしさに、これが至福の
ひとときではと思いました。その自然を見守り育てる地元の
方たち、尾瀬は自然環境保全のシンボルではと実感した
今回の尾瀬の旅でした。
尾瀬の花々はまとめて次回にまわさせていただきます。 
 
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