9/6 2002掲載

by Yoko

そろそろ紅葉も始まろうかというころになってやっと出来上がった5月のストウへの旅。
掲載よろしくお願い致します。

ストウへ”トラップファミリーロッジ”を訪ねて

 
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アメリカ東海岸のバーモント州は、ニューイングランド地方と呼ばれている六州のうちの
ひとつで、紅葉の美しいところとして広く知られています。
ストウはバーモント州(VT)の北の方、マンスフィールド山麓の町。マウンテンリゾートで名
高いこの町へと5月下旬車を走らせました。

レキシントンの我が家から、ニューハンプシャー州(NH)南西部を抜けてバーモント州へと
入っていきます。ハイウェイから見渡す限り緑の樹、樹、樹。むせ返るような緑の中をひたす
ら走ります。こんなとき、この地方で暮らしていることの幸せを痛切に感じます。(こんなとき
だけなんですが)

 
アメリカと一口に言ってみても、その地方、州、町によって趣が全く違っているので、なかなか
興味深いものがあります。勿論、広大な国土故に気候も著しく異なりますし、人種構成も違い
ます。地名にもそれが表れているようで面白いですよ。

 
 
ストウよりも少し手前ウォーターバリーの町にベン&ジェリーのアイスクリーム工場があり
工場見学ができます。日本ではセブン・イレブンで販売されているようですね。

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ベン&ジェリー・アイスクリーム工場のパンフレット。

 
他に、コールドホローサイダーミルというサイダーを造っている工場もあります。
サイダーとは、アメリカではりんごジュースのことで、りんごを丸ごと圧縮して作られている
のでお味は濃厚です。
ここではサイダーだけでなく、バーモント州の名産品メイプルシロップで作られたお菓子や
様々な民芸品など、多種類のお土産物を販売していました。
販売されているサイダーよりも試飲用の絞りたてサイダーのほうが濃い味に感じられたのは
気のせいだったのでしょうか?

  
上の写真、上部真中がサイダーです。
子供連れの家族は、こういうところでちょっとひと休み。アイスクリームやジュ―スができる
行程を見学したり試食をしたりと一石二鳥。お土産も買って・・・

バーモント州は、かつて人間よりも牛の数のほうが多いといわれていたところ。それほど
人口が少なく、また牧場が多いということでしょうか。なだらかな丘陵地や草原で、草をは
んでいる牛をよく目にします。

さあ、ストウの町へ近づいて来ました。我が家からは約3時間半の道のりでした。
道路沿いにはホテル、モーテル、レストランなどが立ち並んでいます。
流石はマウンテンリゾート地。町自体はとても小さくてこじんまりとしていますが、お土産
物屋さんが、なかなかに素敵!アートギャラリー風な洒落たお店もあって必見です。

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町の中心。右側の国旗の立っているところが町役場。道路の両側に、土産物店が並んでいます。

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ギフト&クラフトのお店。バーモントの名産メイプルシロップも、もちろんありますよ。

 
風見鶏ならぬ風見犬!

 
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上述したストウの町の中心は、この地図には載っていないもっと下、南の方です。

この地図の真中辺りに ”covered bridge” 屋根つきの橋があります。
バーモント州には、現在残っているだけでも100以上のカバードブリッジがあるそうで、
そのほとんどは19世紀の半ばに作られました。何故こんなにたくさんのカバードブリッジ
が作られたかというと、当初は橋の持ち主が通行料を取るために屋根をつけた、というこ
とのようです。付加価値を付けて有料にして持ち主が儲けたそう。

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地図では、このカバードブリッジの下から蛇行して描かれているウェストブランチ川に沿って
Recreation Path” レクリエーションの小径があります。約5.5マイルの行程傍に5ヶ所
駐車場・トイレがあるので、そこに車を止めて思い思いに歩くのもよし、サイクリングしたり
ジョギングしたり(エンジンの付いた車は立ち入り禁止です)のんびり楽しめます。
貸し自転車屋さんもありますし、自分でマウンテンバイクを車に積んでやって来る人もいます。
丁度、カバードブリッジの駐車場では、犬を連れて釣りに来ている人を見かけました。
愛犬を連れて旅行する家族も、よく目にします。ホテルの案内にも「ペットOK」とか「NOぺッ
ト」という記載があったりしますよ。

更に北へ進むと左手に、バーモント州で一番高いマンスフィールド山(4,395フィート)へ登る
有料道路とゴンドラ乗り場が見えてきます。

 
 
残念ながらまだ、有料道路とゴンドラは開通していませんでした。雪のためのようでした。
マンスフィールド山頂から晴れた日には、遠くはケベックのマウントロイヤルまで見渡せる
そうで、高山植物や動物の観察にも打ってつけの山のよう。登れなくて本当に残念!

さあ、皆さまお待たせ致しました。これから、いよいよトラップファミリーロッジへと皆さまを
ご案内いたします。

上の地図では緑の円形部分、辺り一帯2,700エーカーがトラップファミリーロッジの所有する
土地です。2,700エーカー、想像つきますか?

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トラップファミリー・ロッジの敷地内・トラップヒルロードに入ってしばらく行くと、左手にギフト
ショップとオーストリアン・ティール―ムが見えてきます。

 
馬車の後ろがその建物です。この馬車がトラップファミリーロッジの敷地内を案内してくれ
ます。子供連れの家族には人気のようでした。

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ずっとずーっと来たかったトラップファミリーロッジに着きました。

 
    ♪ The hills are alive with the sound of music,
               with songs they have sung for a thousand years.
 
映画 ”The Sound of Music” 冒頭シーン。上空からの撮影で主人公のマリアにカメラが
だんだん近づいていく・・・・・そのとき流れていたこのメロディが聴こえてきそうです。
 
この映画をご覧になってない方にとっては 「なんのこっちゃ?」 でしょうね。
映画サウンド・オブ・ミュージック(1965年公開)のモデルとなったトラップファミリーが、1938年
アメリカに移り住みトラップファミリー合唱団として(オーストリアにいるときから活動していた)
全米を公演旅行で飛び回っていましたが、ここストウの風景が祖国オーストリアに似ている、
ということで定住の地と決めたのは1941年のことでした。
そして1950年の夏に27部屋のロッジを始めます。トラップファミリー合唱団の活動に終止符
を打つのは1956年のことでした。

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ザルツブルクには、映画サウンド・オブ・ミュージックのロケに使われた場所を訪ねるこんな
ツアーもあります。
続く・・・・・