トラップファミリー・ロッジ正面です。

1980年に当初のロッジは火災にあい、1983年に再建されました。
これから夏にかけて窓辺は美しい花で覆われていきます。

部屋からの眺め。

秋になると、燃え立つような紅葉がさぞ美しいことでしょう。

お部屋のインテリアは、家具に花の絵が描かれていたりとチロル風で素敵です。

廊下には映画サウンド・オブ・ミュージック関連の写真、それ以前に公開されたドイツ映画

菩提樹のポスター、ブロードウェイミュージカル版の写真など、所狭しと飾られていました。

そんな中にトラップ家の長女・Ａｇａｔｈｅさんが描いた絵もありました。

メインロッジの傍にはトラップ家のお墓がありました。トラップ大佐やマリアさんが眠っています。

レストランも、なかなかお味がよくてお薦めです。

カジュアルなラウンジでは、ソーセージやザワークラフトでも。女性がチロル風の衣装でサーブ

してくれるメインダイニングではヴィナーシュニッツェル(仔牛のカツレツ)でも如何でしょうか。

印象に残っているのは、モツァレラチーズの美味しさ。新鮮なのでしょうね。ちょっとオレン

ジがかった色のトマトも美味しかったですよ。きっと敷地内の畑で作られているのでしょう。

ラウンジやメインダイニングでは日替わりで、ハープやピアノ演奏、ギターと歌など楽しめます。

写真はシュバルツベルダーキルッシュトルテ・黒い森のさくらんぼケーキ！

私がこの舌を噛みそうな名のケーキを始めて食べたのは、西新のエルベでした。

もう四半世紀前の話です。当時はこのケーキの名がどういう意味かも知らず、ただうまく

間違えずに伝えることに神経遣いました。このレストランのケーキは、流石にアメリカだけ

あってとても甘い、エルベの方が美味しかった。（食べかけを写したので写真があまりよく

なくて失礼）

毎日このような案内が部屋に配られます。

ここでは、早春は　Maple　Sugaring　といって、かえでの樹木からシロップを採取したり

春から秋はハイキングやテニス、フィットネスクラブやプールもありますし、冬はクロスカントリー

スキーで楽しめます。トラップファミリーのホテルだけあって夏には野外コンサートが開かれます。

バーモントの自然の中でオーストリアにいるような気分も味わえるトラップファミリー・ロッジ。

サウンド・オブ・ミュージックの映画ファンならずとも、その絶好のロケーションの中で、思う

がままにゆったりと過ごせる、なかなか価値あるリゾートホテルでした。

トラップファミリー・ロッジとは、ここでお別れいたしましょう。

さて、映画サウンド・オブ・ミュージックの出演者たちは、今どうしているのでしょうか？

アメリカの　Ｐｅｏｐｌｅ　という雑誌　2002.4月８日号の特集記事で現在の彼らを知ることが

できましたので、ご紹介いたします。

Ｗｈｅｒｅ　Ａｒｅ　Ｔｈｅｙ　Ｎｏｗ？

Captain and Maria von Trapp

Christopher Plummer and

Plummer：現在７２歳。３１年間連れ添っている女優のElaine Taylorとコネチカット州に住む。

　　　　　　最新作は精神科医を演じた　”A　Beautiful　Mind”。

Andrews：２度目の夫であるBlake　Edwards監督（ティファニーで朝食を　etc.）との間に５人の

　　　　　　子を持つ６６歳。1997年の喉の手術後、声帯に損傷を受け以前のように歌うことは

　　　　　　叶わぬが女優を続けるかたわら、子供向けの本も書いている。マンハッタン在住。

２１歳のときにリーズルを演じ「もうすぐ１７歳」を歌った彼女も、もう５９歳。

二人の子供を自分の手で育てる為に女優の道をあきらめるも、インテリアデザイナーと

しては８０年代、マイケル・ジャクソンのインテリアを手がけるなどキャリアを積んでいる。

現在の顧客には、サウンド・オブ・ミュージックの共演者も。

1991年に離婚し、現在はカリフォルニア州在住。

”Sing－A－Long　Sound　ｏｆ　Music”のイベントに出演。

ロバート・ワイズ監督のお蔭で、僕たち共演者は品行方正に育ったよ、と感謝する彼は

５１歳、ワシントンD.C.出身。70年代はテレビシリーズで俳優として活躍していたが、オー

ストラリアが気に入りシドニーへ。1999年には「短期連続テレビ番組」で脚本賞を受賞。

シドニーシアターカンパニーの芸術監督を務めるRobyn　Nevinと共に暮らしている。

７０年代はテレビシリーズ”Logan’s　Run”で売り出し、プレイボーイ誌のグラビアを飾った

ことも。俳優Robert　Urichと結婚しロサンゼルスに住む５２歳、３児の母。

テレビの「宇宙家族ロビンソン」に３年間出演した後は目立たぬ役ばかり。２６年間連れ

添っている夫とカリフォルニア州でギフトブティックを開いている。

現在２０歳になる娘が８年前の”A　Summer－Theatre　Production　of　Music”でマリア

を演じた。「娘が　♪The　hills　are　alive．．．と歌い出したときには、涙が溢れて仕方な

かったわ・・・」　輪廻を感じた４９歳、１６歳の息子の母でもある。

テレビコマーシャルで活躍していた彼は、サウンド・オブ・ミュージック後は一本の映画に

出演しただけで学業に専念、地質学のマスターコースへと進んだ。現在はソフトウェアの

エンジニアである。

１９８７年に結婚した妻・Ｐｅｔｒａは、元々はオーストリアからナニーとしてアメリカへやって

来た女性でミドルネームはＭａｒｉａ。彼の人生はいまだにサウンド・オブ・ミュージックで溢

れているようだ。

２０代前半迄はロサンゼルスでコマーシャル出演やモデルをしていたが、結婚後ミネソタ州

へ移る。４人の娘を持つ４４歳、現在はフローラルデザイナー。

サウンド・オブ・ミュージック後は、映画やテレビで端役ばかり。パリへ移り銀行家と1985年に

結婚。息子（現在１０歳）のために家庭に入ったが、今はオーディションの為にロサンゼルスと

コネチカット州の家を行ったり来たりの日々である。４３歳。

離婚率の高いアメリカにあって、皆さん堅実な人生ですね。女性は皆、子供を産み育て。

フリードリッヒ役のハモンドが語った”None ｏｆ us are on drug, none of us are in jail．”

が印象的なインタビュー記事でした。彼らには今でも交流があるようです。

では最後に1998年、ニューヨークで行われたセレモニーの写真をご覧下さい。

トラップファミリーがオーストリアのザルツブルク州から”The　Golden　Decoration　of　Honor”

を受賞し、その授与式に今もお元気な６名のファミリーメンバー（内３名がマリアさんの子供）と

映画サウンド・オブ・ミュージックで子供たちを演じた７名が集まりました。

この年には、ブロードウェイでサウンド・オブ・ミュージックが再演され、レコードも再版されてい

ます。ギター演奏のエリザべスはトラップファミリーの次世代にあたります。

トラップファミリー・ロッジ玄関ドアの内側にはドイツ語で「さようなら」と。

それでは皆さま、次回はメーン州の国立公園・アケイディアでお会い致しましょう。

ごきげんよう！　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　”AUF　WIEDERSEHEN”