7/11 2005掲載

バーデン・ヴュルテンベルク州の珠玉の諸都市..... v.K.
 
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バーデン・ヴュルテンベルク州は南西ドイツに位置します。旧バーデン辺境伯領とヴュルテンベルク王国領が合体して連邦州となりました。東はバイエルン、西はライン川を挟んでフランス、南はスイスに接しています。隣のバイエルン州よりも地形に起伏があって変化に富み、美しく、日本人好みといえます。食べ物もフランスに近いだけあって、バイエルンより量も塩加減も程々に上品です。名物料理にシュペッツレという、ドイツ風パスタがあります。だご汁にいれるだごを小さくしたものを想像されてもいいでしょう。州の東半分がバーデンです。ヴュルテンベルクはシュヴァーベンと呼ばれる地方にほぼ一致します。シュヴァーベンからは優秀な人物が数多く排出しています。ただ、「学校のしぇんしぇい」と正調博多弁なのが耳障りです。
今回はバーデン・ヴュルテンベルク州の美しい都市を五つに絞って紹介します。
 
ハイデルベルク

ドイツ最古の大学があることで有名。写真は古城ネッカー川に架かる橋です。ここが観光写真一番のポイントです。川はライン川の支流ネッカー川。このネッカー川は後述するシュツットガルトからテュービンゲンへと遡ります。


古城と橋を対岸の丘の上、「哲学者の道」から見下ろしたところ。


古城は実は廃墟です。中央の一部分だけ修復されてレストランやコンサ−トホールになっています。
 
カールスルーエ

ハイデルベルクからアウトバーン通称ハフラバを南に飛ばします。ハフラバとはハンブルク−フランクフルト−バーゼル(スイス)を結ぶ連邦アウトバーン5号線のことで、南北の大動脈です。
カールスルーエの特徴は城館を中心とした街割りです。門前町の道路はどこからでも城館が見えるように放射状に広がっています。
カールスルーエは最高検察庁、憲法裁判所、最高裁判所などが集まる司法の町です。城館左上部の建物群がそうです


城館正面の大通りにはピラミッドがあって、これは実はこの町の開祖の墓地です。道路の一件といい、領主の辺境伯はかなり強引な人だったんでしょうね。
 

海から800kmくらい離れた内陸にあるライン川港。日本には見られない風景です。右手に風力発電塔。


カールスルーエの市電(トラム)も有名。市電が直接ドイツ鉄道に乗り入れて近郊電車となっているのはここだけです。
 
フライブルク

バーデン・ヴュルテンベルク州で最もイメージが良いのが、おそらくここフライブルクでしょう。ライン川とシュヴァルツヴァルト(黒い森)に挟まれ、風光明媚なところですが、早くから環境対策に取り組んできたことで高い評価を得ています。


旧市街には許可車以外自動車は乗り入れできません。代わりに公共駐車場が周辺に幾つも作られ、旧市街の交通は市電とトロリーバスが足です。街の中は黒い森から流れ出た清水の水路が張り巡らされ、常に清潔さが保たれています。
バーデンのワインは世界中で最も私が好きなワインです。特にフライブルク郊外カイザーシュツールのロゼは絶品です。


黒い森の伝統的な農家。
 
シュツットガルト

カールスルーエからアウトバーンを東に行くと、州都シュツットガルトです。前述の如くシュヴァーベン人は優れた人材が多い。ここは自動車のダイムラー・クライスラー(旧ダイムラー・ベンツ)やポルシェの本社があります。写真は新宮殿。現在は市か州の行政府として使われています。


シュツットガルトは人口100万人弱の大都市ですが、「住みたい町」で毎年1位を競う人気があります。この町は街全体が古代ローマの円形劇場のように三方をぐるっと丘に囲まれ、最も低い舞台に当たるところに街の中心があります。別名を風の街とも言い、常に風が台地から街の底に吹いています。現在の都市計画でも街の中を自然に風を通すことに配慮が為されています。そしてご覧のように緑が多い。


ネッカー川に近い低地にヴィルヘルマという動植物園があります。春は木蓮が咲き誇ります。


こういう地形なもので早くから都心と丘の上を結ぶ市電が発達しました。大都市には珍しいケーブルカーもあります。写真の通りは「新ワイン昇路」。大都市の中でワイン畑があるのはここシュツットガルトだけです。
 
テュービンゲン

シュツットガルトからネッカー川をさらに30kmほど遡ったところにあるのが、小さな大学都市テュービンゲンです。これは市庁舎。


丘の上にあるテュービンゲン城。観光の他、テュービンゲン大学歴史学教室などが入っています。


ネッカー川もこんなに小さくなった。ここまでは船も上がってきません。この近くにドナウ川源流もありますが、飛び超えられそうなせせらぎです。背景の小さな塔は哲学者ヘルダーリンが心を病んで幽閉されていたので、ヘルダーリンの塔と呼ばれています。
 
テュービンゲン−プロンドルフ

プロンドルフはテュービンゲンのはずれの、やや高い台地の上の小さな集落です。ここに私達は住んでいました。
人口は500人くらい。カトリック系とプロテスタント系の幼稚園が二つ。小学校が一つ。小さな商店がいくつか。週末だけ開く飲み屋が一つ。M.v.K.は森の中のつづら折りの道を下ってスーパーへ買い出しに。でもよく見ると人気のない住宅街の中に目立たぬ靴屋さんや洋服屋さんがあって、、誰相手に商売してるんだろう?あれは不思議でしたね。


いつもの散歩道。谷の中央をネッカー川が流れています。向こうの高台の集落を見下ろしながら


夏は九時過ぎまで明るいので夕食後散歩。木陰のベンチで一休み。本を読んだり、とても食べきらないくらいリンゴが落ちてるから、きれいなのを拾って食べます。


M.v.K.の誕生日。この頃は娘達も可愛かった。(今は?)
 
バーデン・ヴュルテンベルク州には今日紹介した以外にも、美しい町が幾つもあります。たとえばロマンチック街道沿いや、ボーデン湖畔に。そのうちまた紹介しましょう。

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