4/17 2006掲載

イタリア旅行 ミラノ

v.K.

ミラノはアルプスに近い北イタリア、ロンバルディア平原の奥まったところにあります。肥沃な土地で農業生産性が高いことに加え、地図を見るとポー川の支流が網の目のように走っており、水運を利用した交易で栄えました。ローマ帝国時代紀元1世紀頃には既に名前が残っています。政治的にもここを抑えることは重要で、スペイン、フランス、オーストリアなどがミラノを支配しました。
 
 現在人口は約130万人。福岡市と同じくらいの大きさです。イタリア随一の工業都市でもあります。それにイタリアン・デザインとファッションの発信地。平野にあるので都市は同心円状に発達しています。地下鉄がよく整備されています。高速道路も四通八達していて、1970年代にはミラノを取り巻く環状高速道路が出来上がっていました。その当時ヨーロッパで環状高速道路が完成していたのは、ミラノの他にはドイツのケルンとマインツくらいではなかったでしょうか? 福岡では九州自動車道がやっと開通した頃です。
 

 ミラノといえばドゥオモです。しかし生憎ファサードは改修の幕に被われていましたので、本屋で買ったガイドブックの写真を掲載します。最近はガイドブックも種類が多く、日本語はもとより、中国語(簡体)、ハングル、アラビア語などもあります。
 
 このドゥオモ、さすがに凄い。典型的ゴシック建築で、五身廊の巨大建築です。ヨーロッパの建築の中で技術的にも革新的であったし、見る人に最も強いインパクトを与えるのはゴシックでしょう。ローマ人は円型アーチを多用しましたが、中世の建築家達は先端の尖った尖型アーチを開発しました。この結果建物を高い柱で支えることが可能になり、厚い壁を取り払うことが出来ました。屋内は天井が高く明るくなり、壁の代わりにガラス窓を広く取ってステンドグラスが発達しました。デザイン的にも尖型アーチは斬新で美しく、教会に留まらず宮殿や貴族の館にも多用されました。
 

ドゥオモ前の広場。典型的なイタリアの広場。
 

丁度カーニバルの終わり頃だったので、広場にはこんな可愛い子供達がいっぱい。
 

ドゥオモ側面。蝉がいっぱい留まっているように見えるのは,聖人の石像。
 

左は逆さ磔のペテロかな? 右はモーゼだろう。
 

ドゥオモ内では日曜日のミサがあってました。 邪魔しないように。
 

側廊には幾つも祭壇が並んでいます。
 

スカラ座! 今度ドレスアップしてここに来ようっと!
 

スカラ座とドゥオモを結ぶのが,ヴィットリオ・エマヌエレU世のガレリア。1870年頃造られました。高級ブティックや貴金属店や洒落たレストランが並びます。
 

これもガイドブックから取りました。ガレリアの交差点。マクドナルドのハンバーガー店がある。上方には四大陸を寓した絵が描かれている。この絵はアフリカらしい。フロアのモザイクも美しい。
 

ガレリアのリストランテは通路に張り出しを作っている。白ワインを手にして、ちょっと気取ったセーラさん。
実はセーラさん、数日前トリノ・オリンピックで優勝した荒川静香さんと何度も間違えられて、ジロジロ見られるし、ついには「昨日テレビで、インタビュー出てませんでした?」なんて尋ねられちゃって、、。悪い気はしないかな?
 

パルマ産自然乾燥生プロシュート(ハム)。食うぞ食うぞー!
 

ミラノ名物仔牛のカツレツ。これも食うぞ食うぞー!
「パパ,上品にお召し上がりなさってね」
 

夜のドゥオモ
 

翌日はお城に行きました。中世風城塞の外観。
 

ゴシック様式の窓。尖型アーチが美しい。
 

中庭でセーラさんが写真を撮っているのは、、
 

建物の壁面に大きく描かれていたこの図柄。
「アルファ・ロメオのマークに似てるから何かなと思って、、。」
これがミラノ市の紋章だそうです。ヘビまたは竜が子供を食べる由来は確かな説が無いらしい。
たどたどしくイタリア語を読んでみると、産業応用芸術高等学校、1977年。なんだ新しいんだ。ミラノは戦災でひどく破壊されたそうです。ドゥオモもスカラ座も。
 
アルファ・ロメオはミラノ生まれ。アルファはロンバルディア自動車会社の略称だそうです。親会社のフィアットはトリノが本拠地。FIATもトリノ自動車会社の略称だそうです。
今回久々イタリアに来て感じたのはフィアットの低迷。車が走ってないんです。代わりに目立ったのがダイムラー・クライスラーのsmartです。
 

ミラノは世界の一流ブランドが狭い一角にひしめき合っています。この狭い、どちらかというと派手さを控えた通りにフェラガモ、シャネル、エルメス、グッチ、ルイ・ヴィトン、プラダ、、が軒を連ねています。
「ウッフン、フン。なに買ってもらえるかなー?」
鉢植はレンギョウです。漢方薬でよく使います。
 

フェラーリ・ショップ。ホテルのすぐ側にあって珍しいんで入ってみました。真っ赤なフェラーリ・グッズがいっぱい。実は旅行ケースが航空会社のミスで一日遅れて届きました。寒いので仕方なくフェラーリ・ロゴ入りダウンヴェストを買いました。保険に入っててよかった!
 

ご存知レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐。これがミラノのある教会にあると知ったのは、行きの飛行機の中です。これはしめた!と思い、勇んで見学に行こうとしたところ、見るには二ヵ月前に予約が要るそうです。なあーんだ、残念。
 

 キオスクで売っていた焼き栗と、飴でくるんだアーモンド。「クリ」は国際語?
打っていた若い男は中国人でした。上海から来たと言っていました。グッチの店にいた中国女性も上海から来たと言っていました。グッチの店にはブラジル人の男性もいました。アメリカ・ロサンゼルスに2年にてここに来た、ポルトガル語、イタリア語、フランス語、スペイン語、英語が喋れるとか言ってたけど、EUで就労ビザそんなに簡単に取れるんかいな?
 
 実はイタリアは度々行ったことがあり、結構好きなんです。陽気で楽しくて、国中が美術品のようです。料理は美味いし。でも、以前ほどイタリア料理美味いと、今回思いませんでした。たぶん日本のイタリア料理の質が上がっているのでしょう。
 
 次回はフィレンツェを紹介します。

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