9/1 2007掲載

ロシア偵察旅行最終回 モスクワ

じんろくパパのモスクワ便りに刺激されて、且つまたはなパパの夢を膨らますのにお役に立てばと思い、
1年前のロシア偵察旅行モスクワ編をやっと書き上げました。
モスクワにはサンクトペテルブルクのような歴史を偲ばせる、かつ整った美しさは感じられません。一昔
前の東京みたいに雑然としていて個性ある建物というと、スターリン時代の空に向かって尖った建物が
あちこちにあります。


モスクワ−サンクトペテルブルク間は寝台列車が旅の目玉です。詳しいことは全く解らないが、数社が
競って寝台列車を走らせているのかな? 先日爆弾が仕掛けられて大惨事になりかかったのは、たし
か「ネフスキー・エクスプレス」とか行ってました。私たちが乗ったのは「赤い矢」号といいます。


窓の下段にサンクト・ペテルブルグ、モスクワと書いてある。これから類推してВАГОНはワゴン、
КЛАССはクラスらしい。するとМЕСТはコンパートメントのことかな?1等個室寝台だから。


コンパートメントの中はこのようです。写真のようなベンチシートが向かい合わせにあって、背もたれを倒
すとベッドになります。幅は十分です。洗面台はありません。綺麗なトイレ・シャワー室が3室あります。
M.v.K.が手にしているのは夜食セット。


中身はパン2個、バター、サラミ、ママレード、キャビアならぬイクラ、紅茶、コーヒー、ガス入りとガスなしの
ミネラルウオーター、スポンジケーキ、チョコーレート2個(ドイツ製リター・スポーツですぞ!Yokoさん)。
鍵を掛けても夜中ふと気付くと知らない人が物を漁っているという、こわーいロシアの寝台車。でも幸い何
事もありませんでした。


モスクワの朝。いずこも同じ渋滞。乗用車は日欧と変わらないが、トラックは古めかしいのが多い。ロシアで
交通事故の多いのには驚きました。1日4回見たこともあります。


人間を少しでも多く詰め込めるように建てられたとしか思えない高層住宅。


モスクワ北方観光旅行の定番地。ひなびた昔を残すロシア。このおばさんもウェスト50cmの、愛らしい少女
時代があったのでしょうね。
ロシアの建物になぜ尖塔がいっぱい立っているか解った。ドームを造るアーチの技術が遅れていたからだ。


向こうが男性修道院、こちらが女性修道院だって。


真新しい中流の一戸建て。


ななかまどの実が真っ赤に色づいているので食べたら美味しかった。ジャムに出来るそうです。
ところが思い切り熟して美味しそうな実を一掴み口に入れるとこれの苦かったこと!どの木が美味いか苦い
か、地元の人だけが知ってて教えないそうだ。


日本で水平線は珍しくないが、ロシアにあるのは地平線。バスに乗っていると、うねるような丘陵が続いて
いる。バスが丘陵の頂にさしかかるとずっと前方に村が見える。道がうねりの底に下ると村は見えなくなり、
次の丘陵の頂に来ると再び村が見えてくる。こういうのは日本にはないな。


さて、モスクワに戻って、あちらに見えるのが「赤の広場」の聖ワシーリィ寺院。地下道を通って行きます。
坂を手前の方へ下るとモスクワ川。


クレムリンとレーニン廟。なかなか綺麗じゃん。この広場の地下トイレは、流石に広くて清潔だったな。


クレムリンに向かい合って堂々と立っているのはグムデパート。19世紀末の建立です。いや、なかなかどうして、、。


グムデパートは外観だけでなく、内部も立派です。日本のデパートと違って、独立した専門店の集合体。ソ連
時代、人々はこのグムデパートを古くさい、ダサいと感じ、西側のデパートにあこがれていたと本に書いてあっ
たので、本当にそうなんだろうと信じていました。でも、あれは西側のプロパガンダだったんだと、今は思います。
だってこのグムデパート、お洒落で素敵なんですから。


店舗は3階まであります。上の方にも洒落たカフェがある。天井からは自然光がたっぷり。これは寒い国共通
だな。お見せは高級品が並ぶ。買い物する人より観光客が多かった。
一直線に店舗が並ぶこの様式は、今日本でもドイツでもあちこちに出来ています。ショッピングを楽しんでもら
い、沢山買わせるにはこの直線様式は良いんだそうです。昔から日本の商店街は直線です。東京お台場の
ヴィーナスフォートはこれにそっくりだし、イーオンもこれに近い設計になっています。表参道ヒルズもこの変形
です。


可愛いニンフがいたのでカメラを向けると、人形じゃない証拠にこっちを向いてポーズを取ってくれた。何かのキ
ャンペーンらしい。


クレムリン見学は思いの外簡単です。空港にあるようなチェックを通り抜けで入ります。この建物はソ連時代共産
党大会が開催された、大会宮殿。全ソ連から代議員6000人が集まった。テレビやグラビア雑誌で見たことがあり
ます。


いまでもこのマークはあちこちに残っているが、、


大会宮殿入り口の上に輝くのは新生ロシアの国章。これはちょっと呆れたな。ほとんど帝政ロシア時代の国章で
すよ。金色に輝くのは例のキングギドラ(ロシア偵察旅行_1 参照)。その中央に描かれているのは竜退治で有
名なキリスト教の聖人、聖ゲオルギィ(聖ゲオルギウス、セント・ジョージ)。聖ゲオルギィはロシア正教では昔から
広く崇められた聖人だそうです。聖ゲオルギウスは今のトルコにいた軍人で、ある時ある村を通りかかり、邪悪な
竜を退治して生贄に捧げられたお姫様を助けました。全くヤマタノオロチを退治したスサノオ伝説とそっくりです。
これを国章とするのは、うーん、多少時代錯誤的な感じがするなあ。あのロシア革命はいったい何だったんだ?!


クレムリン宮殿の屋根の上には金色の尖塔がずらり。なかなか壮観だ。


モスクワ大学本部。ここに留学中、二人は知り合って結婚しました、、なんちゃって。
モスクワを一望に見渡す丘の上にあって、周囲の森とも言うべきよく手入れされた公園は、広々として格好のデート
コース。なかなかロマンチックなんですよ、この周辺。


ある晩の民俗調レストラン。右手の壁には熊の毛皮。左手の壁には日本製エアコン。


今夜も出てきた壷料理。以上駆け足モスクワ紹介でした。

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