10/6 2008掲載

ミュンヘン散策/ヴィクチュアリエン市場

 

ゼンドリンク門はミュンヘン市の南に開く門。

昔バイエルン王国軍も、商人達も、あるいは「イタリア紀行」を記したゲーテもこの門を出

で、アルプスを越えて、イタリアに向かったことでしょう。

この門を入って真っ直ぐ行くと、市庁舎のあるマリエン広場に来ますが、、、

 

その少し手前を右に曲がると、そこがヴィクチュアリエン広場です。

数百年にわたり、ミュンヘンの台所兼惣菜置き場だったところ。都心にあるのでビルに囲まれ

ています。広さは野球場が一つ出来るくらい。

 

銅版画など見ると、昔ここは食糧を買い出しに来る人で溢れていた。

でも今は緑陰の下で気持ち良く、軽い食事を楽しむところとして有名です。

 

そして飲むところ!

これが楽しくてミュンヘンっ子も観光客も、大勢やって来ます。

 

緑陰を造っている樹木はカスタニエン(マロニエ)です。写真左上隅にヤツデに似た葉の形が確

認できるので、それと判ります。秋には栗に似た実が、足下にゴロゴロ転がっていることでしょう。

ここヴィクトリアン・マーケットにウェイトレスはいません。まず空いた席(ベンチという)を確保し、ビ

ール、食べ物はそれぞれの売り場に出かけて行って、買ってきます。

 

食べ物を調達に行きました。

「地中海特産品」って、美味しそうだわ。

スペシャルティ()に相当するスペチアリテーテンには、特産品、郷土料理の意味があります。

一流レストランでは、その店が自信を持って出す料理のことも言います。

 

魚介類がどっさり。左列手前から奥にイカゲソと二枚貝のワイン酢・オリーブオイル漬け(美味しかった

です。下記注
)、イカの中に詰め物、エビサラダ、たこサラダ。

中央手前から奥にイカゲソと貝のペペロニ(唐辛子)ピリ辛味、イカピリ辛味中に詰め物、エビのペペ

ロニ、エビのカクテルソース。

右列手前二つはイワシの酢漬けとペペロニ味、奥は小ガニのようだ。

お値段は100グラム 2.6ユーロ(約440円)。内陸に運んだせいか、生ハムより高いようだ。

 

() 値段を確認するために画像を拡大して左手前の赤いラベルを読むと、面白いことが書いてあります。

:<スリミ(surimi カニ風味魚肉蛋白質)入り>というのは、イカにもカニの足様に見え、実体はかまぼ

この、あれかな?
:<原産国イタリア>と表示してあります。

 

左はアーティチョーク(朝鮮アザミ)。普段食べる機会もないので、食べてみました。

ソフトボール大になったつぼみの、芯の部分だけを取り出して茹で、オリーブオイル、ワイン酢、ハーブで味付

けしたもの。 ふむふむ、こんな味か。

 

右はキノコの胴部分を取り除き、中にモッツァレラチーズを詰めたもの。どちらも100グラム約250円。その他

オリーブの実とチーズ、ミニトマトとチーズ、パプリカとチーズなど。

 

あちらに見えるのはシーフード専門ファストフード・チェーン店、ノルトゼー(北海)。

ヒラメのフライが美味しい。

 

寿司も置いている。カリフォルニア・ロールが見える。

 

今食べているのは、プルーンのトルテというには大雑把すぎる、プルーンのパイ。甘酸っぱいです。

 

戯れにM.v.K.とサングラスを交換したら、、、手塚治虫になった!

 

空を見上げればメイポール。カスタニエンの梢の向こうには、教会の塔。

 

「福岡女学院の学園祭に行ったら、メイポール・ダンスっていうとがあるげなじぇ。知っとうや」というのは、修猷

館の頃の話。

 

これがそのメイ・ポール。少女たちが交互に青と白の長い布を持ってポールの周囲を回りながら踊ると、このよ

うに青と白のメイ・ポールが出来る。そうです、これぞバイエルンの、BMWの青と白。

 

果物屋さん。輸入果物が溢れている。昔はドイツの果物しかなかった。EUになった成果の一つだなと実感します。

写真手前のマンゴーはタイ産、ドラゴンフルーツはベトナム産。

棚の上前列左から2番目は梨、日本産。 Nashi と表記してある。こちらにもいわゆる西洋梨はあるが、それ

とは区別してあるようだ。

梨の右2番目隣は龍眼(フィリピン産)。左端奥ミニパイナップルはガーナ産と原産国多彩です。

 

写真手前、ふきのようなもの、これはラバーバです。ルバーブとも言う。野菜のようだが、果物店で売っている。皮を

むいて砂糖を入れて煮ると、美味しいラバーバ・ジャムが出来ます。柔らかめに作ればヨーグルト・ソースにもなるし、

生クリームをかけて食べても美味しい。マリアの大好物。

 

失敗談があります。デパ地下でラバーバ・ジャムをみつけ、帰国時瓶が割れたらいけないからと、リュックザックに入

れて飛行機に乗ろうとしたところ、X線透視装置で見つかり、
100ml以上の液体は機内持ち込み禁止だからと、没収されました。

 

マリアが思わず

「ええーっ、シャーデ!(残念、もったいない)」と叫んだので、係官が気勢に押され、つい、「すみません」と小声で

返事してしまいました。本当は
「ええーっ、シャイセ!(このクソッ)」と叫んだのではなかったか?

 

「シャイセッ!!!」

ふふっ  つかうわよね。

パパは嫌な顔するけどさっ。 (ほんとうはお上品な ふふふっ)

 

 

> 皮をむいて砂糖を入れて煮ると、美味しいラバーバ・ジャムが出来ます。

 

ラバーバの皮はむかずに煮るのが美味しいの。自分で料理してから言ってくださいね。 プン。  (マリエン広場のマリア像)

 

そういうわけでがっかりしていると、先日福岡市内某所でラバーバ・ジャムをみつけました。フランス製です。あるだけ全部買いました。

ルバーベとも言うでしょうね。

 

手打ち庵ご夫妻が、グレートブリテン島南下の旅レポートを始められて、伝言板が華やかになりました。ライヴはやっぱりリアルだなあ。

ドイッチュラント・レポート、果物の次はぐっと泥臭く、野菜を紹介します。

 

画面向かって左手下方のサトイモみたいなのは、根セロリだそうです。(マリアが知ったかぶりしていい加減に書くなと) シチュー

などに入れ、味を出すんだそうです。

 

その二つ右、赤紫色の丸いのは赤ビート。その右、大きなつぼみ様のはアーティチョーク(朝鮮アザミ)。外側のガクは除き、芯を

食べる。

 

左上方にかぼちゃ。その右やや下方、画面ほぼ中央にあるオレンジ色の野菜はオレンジ・ホッカイドーというカボチャ。

スープにすると美味しい。

 

オレンジ・ホッカイドーの上に見える白い球はカリフラワー。こちらではつけ合わせではなく、皿に茹でられた大きな球が一個出てきます。

溶けたチーズやハムが乗せられ、ハーブの入ったクリームソースがかかっている。

昔いた研究所の昼食でよく出てきた。

 

フルーツと異なり、このマルクトで売られている野菜は、たいてい国産(ドイツ産)です。

 

待っていましたお野菜編

どれも珍しく美味しそうです。

 

> その二つ右、赤紫色の丸いのは赤ビート。その右、大きなつぼみ様のは

> アーティチョーク(朝鮮アザミ)。外側のガクは除き、芯を食べる。

 

赤いビートの冷製スープ、ブリストルのホテルでいただきました。

綺麗なのですがお味は???

お漬物にして食べた方が美味しそう  (らんらん)

 

暗い赤紫色のビートがこんな明るいピンキーになるとは、生クリームじゃない? だったら生クリーム入れすぎかもね。

 

手打ち庵ご夫妻が湖水地方アンブルサイドのレストランで取られた、夕食のスープを思い出してください。あれはパンプキンスープかな? 
あれくらいの器に入れたビートの冷製スープに、スプーンで表面に模様が描ける程度に生クリームを注ぎ、食べると(英語でスープは
「食べる」なんですって!)きっと美味しいです。

 

あるいはスライスか千切りにして、サラダに入れて食べます。甘みがあって美味しいです。ランランちゃんのおうちから歩いて5分のボンラ
パスに、ビートの缶詰を売っていると思います。

 

これがオレンジ・ホッカイドー。確かにこのカボチャスープは美味しかった。

 

なぜこれがホッカイドーなのか知らないが、ドイツと北海道は縁が深いようです。昔三菱ギャランがサッポロというブランドで売られていました。

サッポロ通りというのもあります。

 

  ♭♪ 知っていますか知ってるかい  世界のビールの名産地♪

   ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー♪

   うまいビールの合い言葉ぁ♪♪

  ミューンヘン! サッポロ、サッポロ、ミィルウォオキィー♪♪

 

http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=73884

 

1959年(昭和34年)〜1960年(昭和35年)なんですねぇ。まだ小学生か。

CMはアニメで、ドイツ人日本人アメリカ人が仲良くビールを飲んでいる。その日本人が当時ご成婚されたばかりの明仁親王に似ているの
は不敬じゃないかと、そんな議論が本気かどうか知らないが、新聞に載っていたのを覚えています。

 

ドイツの寿司はどうかわかりませんが、スコットランドの寿司はひどかった。ドライブの途中の昼食用にとエジンバラの駅の構内にあるスーパー
で見つけた寿司ですが、見た目は同じでも、具材と味はまったく別物でした。  (手打ち庵)

あったあった、ホワイト・アスパラガス。これを逃してなるものか。シーズンも終わりに近いこの日、これを求めてこのマルクトに来たんだから。

どうせなら一番太いのを買おう。1キロ 2000円くらいです。

 

マンションに持って帰り、皮ではないけど、外側の堅い部分を剥きます。勿体ないなど思わず、多めに剥いだ方が柔らかく食べられる。
そして茹でる。結構時間がかかった。

 

ホワイトアスパラにはオランダソースをかけて食べるのが定番です。ソース・ホランディーズは料理をされる方には基本ソースの一つでしょうが、
簡単に言うとバターと卵黄に、レモン汁、ヨーグルト、白ワインなどを加えて作るんだそうです。今回は手抜きも手抜き、マヨネーズ(チューブ
入り!)かけて、イタリア産生ハムを添えて食べました。それでも実に美味かった。ワインを買い忘れたが、ビールで十分旨かったなあ。

 

うーん、ミュンヘンに来て良かった! これが目的の一つだったから。

 

> v.Kさん、昨年の4月にドイツに行った時はデュッセルドルフでホワイトアスパラ、食べました。うまかったですな〜。 (手打ち庵)

 

ホワイト・アスパラガス 美味しいですよね。 

ホワイト・アスパラガスの時期には、レストランに問い合わせて

まだか、まだかと、そわそわします。

v. Kさんのように

自分で料理したことはありませんけどね、、、。ふふふ、、、。  Y.O嬢)

 

オランダソースについて調べていたら、30数年ヨーロッパに住んでいるというあるご婦人のブログで、ホワイトアスパラはフランス産よりもスイス
産よりもドイツ産が一番美味しいと書いてありました。となると、土壌が大切なのでしょうね。ワインみたいに。是非ソース・オランディーズで
お召し上がりください。

 

果物屋の写真を幾つか追加しましょう。ギリシァ産西瓜。1個3〜4kgとして、700800円くらいか。

 

ドイツのお野菜、じっくりお料理するんですね。

 

シチューなどに入れて味を出す根セロリ、外側のガクは除き芯を食べるアーティチョーク、 

スープにすると美味しいオレンジ・ホッカイドーというカボチャ、 

大きな球のまま茹でて溶けたチーズやハムを乗せ、ハーブの入ったクリームソースをかけるカリフラワ−、 

そしてバター、卵黄、レモン汁、ヨーグルト、白ワインなどを加えて作ったオランダソ−スで食べるのが本式のホワイトアスパラガスだってえ? 

美味しそう! 寒い冬も温まりそう!

 

加熱し手をかけて旨みたっぷりというのがドイツの野菜なんですね。  TH

 

そうなる理由はいくつかあります。

(1) ジャガイモが種類豊富で美味しい。いつか南ドイツ風ポテトサラダをご紹介したいです。スイスのロシュティも美味しいですね。
   そう言えばイタリアのポテトニョッキも。

(2) 冬の寒いときにはどうしてもボルシチ風の野菜が食べたくなる。

(3) 昔ドイツのキャベツは生で食べると口の中を怪我するくらい固かった。だからキャベツを発酵させて柔らかくし、キャラウェイシ
   ードで味付けしたザワークラウトにして食べた。でも今のキャベツは十分柔らかいです。

 

もちろんサラダの種類も豊富です。ヨーロッパはベジタリアンが多いので、彼ら用におなかにたまるサラダもあります。ビート、レンズ豆、
赤インゲン豆、トウモロコシ、ジャガイモ、にんじん、きゅうり、キャベツ、カリフラワーなど、盛り沢山です。

大学や研究所の食堂には必ずベジタリアン用メニュー、イスラム教徒用メニューがありました。

 

よくある果物。ブラックチェリー、イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、ぶどう、桃、バナナ、キウイ等々。タイ産マンゴーもあるぞ。

 

ヴィクトリアン・マーケットの項 おしまい。

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