音楽と演劇とお酒     by リワキーノ 2010.12.22〜23 

同期の同窓会を梅田でやったあと、ホテルエルセラーンのレストランでピアノを弾くから、というムーンライトさんの
知らせを受け、私は仕事を終えたあと、エルセラーンホテルに行きました。
堂島にそんなホテルがあるなんて初耳だったのですが、今年4月に開店したばかりとのこと。
地下鉄西梅田駅からだと四つ橋筋を南に徒歩5分、JR北新地駅からだと3分、京阪渡辺橋駅からだと3分くらいの
距離。

四つ橋筋の向かいを南にちょっと下ったところに近畿修猷会が総会を開くのに二度ほど使った堂島ホテルがあり、


もう少し四つ橋筋を南下すると堂島ロールの本店があります。


ホテルエルセラーンの入り口
いずれの写真も翌日の夕方に再
訪したときに写したものです。

ホテルエルセラーンのカフェレストラン。


写っているのは元ミュージックサロン”暫”のママさん。
ムーンライトさんにこのホテルのピアノで演奏するよう誘ったのは彼女です。
彼女はミュージックサロン”暫”を閉じた後、エルセラーン化粧品に勤めるようになったのです。
私よりも7歳も年上なのにお肌がとても綺麗。
お召し物もいつも素晴らしく、胸元のコサージュは写真では判りづらいのですが、色と言い光沢と言いとっても素
敵なのです。 


昭和17年修猷館卒(旧制中学)のムーンライトさんと同窓生たち。
囲むご婦人たちは左からマダム暫、車恩心さん、加藤さん。

同期生の他のお仲間は大半が病気か身体の不調で今日の同窓会の出席者はこの3人だけだったそうです。
なにしろ、御年87歳の方々の学年同窓会ですもんね。

隣のテーブルにエルセラーン化粧品とエルセラーンホテルの社長である石橋勝氏が。

今から30年前、大阪駅前第1ビルの一角からエルセラーン化粧品の企業を立ち上げ、今のこの隆盛を築き上げ
た立志伝中の人のようです。
詳しくは下記のURLを。
http://spysee.jp/%E7%9F%B3%E6%A9%8B%E5%8B%9D/1071216/#lead

さあ、ムーンライトさんの演奏が始まりました。
この演奏を動画で撮るために私はここへやってきたのです。


2階から見るとこんな風。


ムーンライトさんの演奏をユーチューブでお楽しみください。

「月光ソナタ」

「”上を向いて歩こう”のはちゃめちゃ即興」
車恩心さんは韓国人歌手ですが、彼女との会話の中で坂本九さんの「上を向いて歩こう」の歌のことが話題にな
ったのでムーンライトさんは即座にそれを即興で弾いたのでした。

来年の卓上カレンダーに載ったチマチョゴリ姿の車さん。

車恩心さんは私は今回初めてお会いしたのですが、大らかで、意気に感じる性格という人柄に大変惹かれ、まだ
彼女の歌も聴いたことがないのにファンになってしまいました。
大学在学中に芸能界からスカウトされてプロ歌手としてデビューし、韓国国立劇場で開催された、歌謡連盟の厳
しい審査に合格し、日韓文化交流団の韓国代表となり、日本全国の公演数年間活躍したことから日本に定住し、
今も演奏活動を続けているのです。
マダム暫の人柄に惚れ込んで安いギャラでミュージックサロン”暫”に何度も歌いに来てくれ、どんなに彼女に助
けられたことか、とマダム暫は話します。
彼女のトークをユーチューブでご覧になってください。

車恩心さんのトーク

エルセラーンホテルの2階です。


今年はシンデレラ物語が流行なのでしょうか。ガラス製のカボチャの馬車です。




ムーンライトさんとツーショットで写っている加藤さんはエルセラーン化粧品のトップクラスの販売員だそうです。
穏やかでソフティケートな雰囲気をたたえた人柄からはやり手の営業の女性というイメージは湧きませんでした。
ムーンライトさんはいたく加藤さんがお気に入りのようです。


石橋社長と一緒に記念撮影。
皆さんのお茶代は社長がご馳走してくれました。


皆さんと別れた後、ムーンライトさんと駅前ビルの地下街でちょびとばかし酒をご一緒し、その後ムーンライトさん
と別れて私は次のデートに向かいました。
デート相手は我が娘が高校時代、深く敬愛した現代国語の教師。
ご自分のメールアドレスにaikokuと記述していることにちなんで彼女のハンドルネームをミセス・パトリオットとい
たしましょう。
三島由紀夫と澁澤龍彦の熱烈なファンで紛れもない超保守派思想をお持ちゆえ話しが合い、娘在学中のときも
卒業後も何度もお誘いして酒席をご一緒した女性ですが、今回は彼女の方からお誘いがありました。
演劇大好きの彼女が友人と二人で行くためにチケットを購入したある演劇を友人が急に行けなくなったために私
にお鉢がまわってきたのでした。
彼女の誘いに私は二つ返事でOK。
ところがこの劇団”大人計画”の演目「母を逃がす」は何ともはや簡単に感想が述べられないような破天荒、不条
理きわまりない内容だったのです。
唐十郎や寺山修司演出の演劇のファンだったミセス・パトリオットはこの「母を逃す」もきっと楽しんでいるに違い
ないと思ったのですが、公演後に聞いたら、まったく意味不明で途中で寝てしまったと言うのです。
それにもかかわらず、当日はピロティホールの千五百席が満席となるような盛況であり、20代から40代の世代
とおぼしき観客のほとんどがこの舞台上で繰り広げられるトーク、パフォーマンスに敏感に反応して笑い興じるの
です。私とミセス・パトリオットの感想が一致したのが、今日の観客のほとんどは劇団”大人計画”の公演のリピ
ーターであり、彼らは共有する共通認識で意味不明のトーク、パフォーマンスにも面白みやギャグを見いだして笑
い興じるのだというものでした。
前後左右の観客がみんな笑い興じる中でニコリともせずに演劇を見入る私とミセス・パトリオットはまさに異邦人
的存在だったと思います。
「母を逃がす」の内容については下記のサイトをご参照ください。
http://park8.wakwak.com/~oko-oko/play/see/see990503hah.html

劇団”大人計画”はネットで調べたらかなりラディカルな演出をする劇団であることが判明。
興味を感じられた方は下記のページを参照ください。
「大人計画」

午後7時に始まった公演は休憩時間も無く、ぶっ通しで午後9時半まで続きましたが、不思議と時間の経つのが
早く感じられ、不条理感を感じ続けながらも終わったときの感想は何か重厚感のある舞台劇を観たという印象が
ありました。ミセス・パトリオットも同じ感想を述べてました。

終演後、午後10時前だというのにミセス・パトリオットが終電に間に合えば大丈夫というので私たちは劇場近く
の居酒屋に入りました。
ミセス・パトリオットもお酒の席は大好きとのこと。


今日の重たい内容の演劇の感想はいともあっさりと短い時間で片付けられてしまい、彼女が大好きであり、私
も深い関心を抱く澁澤龍彦や三島由紀夫の世界、そしてそれにともなう官能的な耽美主義の世界への話題が
二人の間でにぎわいました。
両性具有やホモセクシュアル、アンドロジニに強い関心を示すオーレリーさんのことを話したところ、彼女は大変
な興味を示したので、いつかオーレリーさんと一緒に飲む機会を作ろうと決意しました。
長岡京市に帰るミセス・パトリオットさんと別れたのは午後11時半でした。
今日は本当に様々な人たちと出会うことができ、充実した一日でした。

おまけ。
ホテルエルセラーンの雰囲気が大変素晴らしかったので、翌日、西宮市に家族で出かけた私は帰宅の途次、
家内と娘をエルセラーンホテルに案内しました。
二人は喜んでくれ、私も案内した甲斐があったというものでした。





エルセラーンホテルから車で御堂筋に出て淀屋橋に行こうとしたら大渋滞に引っかかりました。
はなパパ&ママが紹介していた中之島のクリスマスイルミネーションショーに駆けつけた群衆のために淀屋橋
交差点が渋滞したのです。


旧日本銀行


淀屋橋から見る御堂筋


これ全部、フラッシュ無しの撮影です。修理済んだキャノンIXY30Sのカメラも夜間撮影はなかなかのものでしょう?