淀工吹奏楽部とフェスティバルホール   2023.01.15

1月15日に大阪府立淀川工科高校(旧・淀川工業高校)吹奏楽部の演奏会を聞きにフェスティバルホー
ルへ行ってきました。
昨年11月に淀工吹奏楽部の先生から練習場のピアノの調律と修理を依頼されて行ったのですが、その
ことを知った、昨年知り合ったばかりのIshizawaさんが、孫娘が吹奏楽メンバーでクラリネット受け持って
いるので、是非、聴いてほしいと招待してくれたのです。


Ishizawaさんのもう一人のお孫さんについては昨年の「サロン便り」で紹介していますので、そのページ
をご覧下さい。

http://hmpiano.net/riwakino/2022/22.08.12ouki_piano/newpage01.html

建てかえ後のフェスティバルホールに行くのは初めてで、いただいた招待券が何と前列から3列目の
28番、29番という宝塚大劇場だったらSS席なのです。
Ishizawaさんって、淀工吹奏楽部においてどんな立場の人なのだろうかと驚きました。


吹奏楽コンクール全国制覇32回の淀工の演奏はまさに迫力のある素晴らしいものでしたが、
なにしろトローンボーン10、トランペット10が一斉に吹き出すのですからその音圧の凄さは3列目では
強すぎて、評判の高いフェスティバルホールの音響面の良さはよく判りませんでした。
ミュージカルだったら3列目は絶対にいいでしょうが、大がかりなオーケストラとか吹奏楽はもう少し後
ろの方がいいと思いました。

とにかくどの管楽器も音程が抜群によく、叙情的な演奏でのクラリネット群の伴奏に乗って吹かれる
フルートの音色とクラリネット群とのハーモニーの美しさとデリケートな表現は、これが高校生たちの
音楽性かと思うくらいのものがありました。
また、打楽器群の素晴らしさも強い印象を残しました。4名か5名だったか確かなか数は覚えていない
のですが、色んなリズム楽器を駆使して複雑なリズムを展開していく様はまさにボレロの曲をいやが
上にも高め、私はしばしば打楽器群の方向をに視線を惹きつけられたものでした。
勿論、指導者の優れた指導のなせる技でしょうが、2時間の演奏時間は飽きることが無かったです。

指導者の出向井先生は私にピアノの調律の依頼をされてきた方ですが、とても丁寧な対応をされる
のが印象深かったのです。
この先生が演奏会の終盤、3年生だけを舞台前面に立たせ、挨拶をされるのですが、入学時にはコ
ロナ過で練習も演奏活動も極端に制限され、2年生のときには淀工吹奏楽部を全国一に導いたカリ
スマ的存在の丸山明男先生が亡くなるという、辛い高校生活を送ってきた子たちであることを紹介し、
それを耐え抜いて頑張ってきた努力を讃えるスピーチは、丸山先生の名を出されたときに一瞬言葉
に詰まるその姿がだぶり、目頭が熱くなると共に、深い感動と淀工吹奏楽部への強い連帯感を感じ
たものでした。
Ishizawaさんのお孫さんは卒業生を送る「乾杯!」の曲を泣きながら演奏したそうで、それを見た
Ishizawaさんも泣かれたとのこと。

演奏以外でとても印象に残ったのが、演奏会終盤に入場の際に渡された簡易ペンライトが一斉に
振られる光景でした。
真っ暗になった中で振り向くと1階席、2階席、3階席の全部で光の洪水が起きているのは圧巻でし
たね。私は振るのをやめて後ろ向きになってその幻想的光景を演奏が終わるまで見つめていました。

私たち夫婦が聞いたのは昼の公演でしたが、夜の部は指揮者の佐渡裕さんが来られてサプライズ
で指揮されたとか。

皆さん、淀工吹奏楽部の演奏は一聴に値するものです。
一度、演奏会に行かれては如何でしょうか。

淀川工科高校への問い合わせは下記のページを参照ください。
https://www.osaka-c.ed.jp/yodogawa-t/contact.html