井上照美の
○短歌のページ
2/4 2002掲載
短歌の同人誌「六甲」の１月号に載せました短歌のうちから
ＨＰ関連の歌を転載いたします。
＜呼友＞とう銘柄の酒届き来て蕎麦打ちに集う同窓の友
インターネットの恩恵受けて次々と酒届きくる友との集い
届ききし酒を並べてデジカメに収まる夫等の少年の顔
10/9 2001掲載
卒業の校門前に車停む夫（つま）は級友と時巻き戻す
新蕎麦の粉とつゆとを鞄に詰めて夫と連れ立つ同窓の席
蕎麦打ちは友の寺の庫裏かりる庭に茗荷の丸きがのぞく
夫の打つ蕎麦を待つ輪の広がりて厨の大鍋沸湯はじむ
ラササヤンと名付けられたるヨットに乗りて洋上に輝く友等の笑顔
海上に足を浮かせて船首に座る水平を保つ我とコンパス
風はらむ帆のむき変える男等のロープをたぐる手を陽の焦がす
足跡は港よりつき港に消ゆるラササヤンの帆に一日ゆだぬ