追悼 安倍晋三元首相    2022.08.16

まず、下記の2つのYou Tube動画をご覧ください。


https://www.youtube.com/watch?v=GyCHDWcTgDU


https://youtu.be/yV3s4RyBwC4

どちらも鳴り物入りで派手な「安倍はやめろ!」コールを繰り返しながらデモしています。
違法では全然ありません。
政治家に不信感をいだいたとき、民主主義の国に許された国民の権利です。
私が尊敬する一国の首相を呼び捨てするコールの連呼は、聞いていて決して心地いいものではありま
せんが、それは我慢できます。

それでは次のYou Tube動画をご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=jYwRMMcYiiM

安倍さんが選挙の応援演説をやっている間中の止むことが無い「やめろ!」コールです。
警察の規制が入ってませんから違法ではないのでしょう。
しかし、私はこれは選挙妨害とも言える民主主義のルールを逸脱した行為と思っています。
以前、企業を相手にして社会問題化した内容の訴訟裁判で、原告側の応援団が鉢巻きをし、「勝利を勝
ち取ろう!」、「絶対;勝訴!」のたすき掛けにのぼりを立てて裁判所に押し寄せたことが当たり前のよう
に行われていてマスコミもとがめる風が無かったですが、あれは三権分立の司法の独立を脅かす行為と
私は思っており、若い頃から受け入れることができませんでした。

「私はこんな人たちに負けるわけにはいかないのです!」と叫んだ安倍さんの言葉は「演説を聞きに来た
人たちへの侮辱だ」とマスコミで批判されましたが、私はその批判は見当違いであり、揚げ足取りのたぐ
いと思っています。
安倍さんは、その前に「あのように人の訴えの場所にきて、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は
絶対にしません」と、”あのように”と演説を邪魔する人たちのことを指して言っているのです。
こんな人たちに負けるわけにはいかない、と言った安倍さんの言葉を「やめろ!」コールの連中とは無関
係の人たちに向けられた言葉とは誰も思わないでしょう。

この秋葉原での演説はデモ隊にもっと肉薄して撮影されたYou Tube動画があったのですが、なぜか削除
されており、そこでは「やめろ!」の連呼が演説の声を圧倒するような、かなりの大きさで聞こえており、小
さな規模の団体が作れるようなものとは思えないような立派なプラカードが大量に林立し、明らかに大きな
組織による周到に用意されたデモであることが判る動画でした。
それをここに紹介できないのが本当に残念に思っていますが、この動画は反安倍派の人たちで作られた
のが、ウクライナ紛争などで我が国の安全保障について不安を感じだした国民の、安倍さんに対する意識
が好転してきたことから過激な画像を自ら取り下げたのではないかと私は邪推しています。

これらの動画からも解りますが、安倍さんを嫌いというより、憎しみを持って見ている人たちが多くいることも
私は知っています。
私の顧客でご主人は結構有名な画家で、その奥様とは趣味も似ていていつも調律を終えたあとに話に花
が咲いていたのですが、あるとき、百田尚樹・著の『至高の音楽』を勧めたときに対応が激しく変わったの
です。
一挙に表情はこわばり、「安倍をいつも応援し、支援する百田尚樹は大嫌いです!」と言い、その後も何度
も安倍、と呼び捨てにしながら安倍さんのことを激しく批判するのです。
それまではとても穏やかで聡明な女性と思っていた私は呆気にとられる思いでしたが、ここまで感情的にな
っている女性に反論する気は無く、私は辞去したのですが、翌年、調律の時期に電話したら調律を断られま
した。
この女性の安倍さんに対する反応は単に反撥とか嫌いとか言うものではなく、憎しみがこもっていることを強
く感じ、朝日新聞が長い年月発信し続けた安倍さんへの憎しみの論調を一個人の例で経験する思いでした。

なぜ、これほど安倍さんは朝日新聞や毎日新聞や自称リベラル系の人たちに憎まれたのでしょうか。
それは安倍さんがは憲法改正を旗頭にして政治活動をしてきたからのようです。
「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」の条文を含む
日本国憲法が現状に合致しておらず、国家の防衛、存続にも悪影響を与えるという信念のもとに安倍さんは
憲法改正を旗頭にしたことが想像も絶するリベラル派(左翼と言いたいのですが・・)の反撥、憎しみを招いた
ようです。

日本国憲法が公布されて75年。この間に日本を囲む国際情勢は大きく変わってきています。
中国の国防力の大きな増強に北朝鮮の核弾頭ミサイルが日本全土を射程距離内にしていることなどを思う
と、国防に関して憲法を見直すという動きがあるのは独立国家としては当然のことではないでしょうか。
その動きをただ、反撥するだけでまともな論議すら拒否し、その提唱者をおとしめるような論調を発するだけ
の朝日新聞や一部野党の動きは、とても我が国の安全保障について真剣に考えていないと言われても仕方
無いと思いますし、民主主義にももとっていると思います。

下記の画像は月刊誌『Hanada』9月号に載っていた写真です。

安倍さんの遺体を載せた霊柩車が増上寺の門を出てきた時、沿道の大勢の人たちが「安倍さ~ん!」
「ありがとう!」の叫び声を途切れること無くあげるのをテレビのニュースで見た人は多いと思います。

安倍さんの死を悼む人たちの写真




私はこれらの写真を見たとき、毛沢東の時代の中国の首相だった周恩来のことを連想しました。
毛沢東が示唆して発生した文化大革命のとき、周恩来首相がいなかったらあの膨大な犠牲者の数は
さらに増え、鄧小平のような後の中国の発展に貢献した政治家たちも無事ではいなかったと思ってい
ます。
毛沢東は周恩来の実務能力を高く評価しており、妻の江青ら4人組が周恩来の失脚を強く迫ってもそ
れに応ずることはしなかったですが、個人的には彼を嫌っていたようで、亡くなったとき、葬儀に対して
も冷たい対応だったようです。
その中での周恩来の葬儀の模様を記録した動画があります。
以下の写真はその動画からのコピーです。










中国政府が動員をかけたわけではないのに自発的に集まってきた民衆たちのこの嘆き、悲しみを見ると、
周恩来が如何に中国人民たちに慕われ、頼りにされていたかが判ると思います。
周恩来首相

以前、この談話室にも投稿してくれていた”よっころりんさん”が20数年前に中国の高等学校の日本語
教師として赴任したときに、生徒たちが一番尊敬する政治家を尋ねて欲しいと依頼したところ、実施した
彼女の返事は生徒の8割が毛沢東ではなく、周恩来の名を挙げたとのこと。
1976年に死去した周恩来のことを2000年代の高校生が直接知るわけないですから、彼らは親から周恩
来の偉大さ、人間性の暖かさを聞いていたのだろうと思います。

掲載した画像は下記のYou Tubeから採ったものです。
https://youtu.be/8idqYlCXezM

周恩来のことを長々と記しましたが、その死に対する民衆の深い嘆きは安倍さんのものと共通するもの
があると思われないでしょうか。
反安倍の人たちも大勢いるでしょうが、それを上回る人たちが安倍さんを支持、敬愛したことは間違いの
無いように私は思います。
その中には海外の首脳たちも含まれています。
世界の首脳たちの弔辞

そして安倍さんへの弔辞となるアメリカのの
米調査研究機関「ハドソン研究所」のケネス・ワインスタイン所長の寄稿全文
を紹介します。

ただただ、安倍晋三元総理大臣のご冥福をお祈りします。